一方、子どもの入院患者数が増えている背景には、RSウイルス(RSV)の流行もあるとされている。RSV感染症は毎年、冬のインフルエンザの流行期に患者が増加するが、新型コロナウイルスの感染対策としてマスクの着用とソーシャルディスタンスの確保が推奨されてきたことで、流行期が昨冬から今年の春以降に遅れたものとみられている。
また、小児感染症が専門のフロリダ州ジャクソンビルのウルフソン小児病院の医師は米CNBCに対し、「急性疾患(感染症)の子どもたちだけでなく、多系統炎症性症候群(MIS-C)を発症する子どもの増加にも備えている」と述べている。
米疾病対策センター(CDC)によると、パンデミックの発生後、新型コロナウイルス感染症に続発するMIS-Cは4404人の子どもたちに確認されており、このうち37人が死亡している。
AAPは、新型コロナウイルスに感染した子どもが重症化、または死亡する例は依然として「まれ」であるものの、子どもたちがパンデミックから受ける長期的な身体的、精神的影響を明らかにするため、「より多くのデータを収集することが急務だ」としている。