カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするNuroは、約1万6000平方メートルの組立工場の建設を今年末から開始し、2022年に完成させる予定で、電動トラックメーカーのBYDから供給されたプラットフォームを使って製造を開始する。
同社の共同設立者でプレジデントのデイブ・ファーガソンによると、この施設は最終的に、現状では「R3」という仮名称で知られているNuroの次世代デリバリーロボットを年間数万台、製造可能になるという。また、同社の車両をテストするためのテストコースも、2022年にオープン予定だ。
「当社は初日から何万台ものクルマを作るわけではないが、製造キャパシティを飛躍的に拡大していく」とファーガソンは述べている。
2016年にグーグルの自動運転車プロジェクトの元メンバー2人によって設立されたNuroは、ウェイモのような自動運転タクシーではなく、配送や物流用のデリバリーロボットの開発に専念してきた。同社は、ソフトバンクやトヨタのグローバル投資ファンドのウーブン・キャピタル、メキシコ料理チェーンのチポトレ、フィデリティ、Greylock Partnersなどの投資家から、少なくとも15億ドルを調達しており、推定評価額は50億ドルとされている。
NuroのデリバリーロボットのR2は、トースター型の小型車両で、食料品やピザ、フェデックスの荷物などを運ぶパイロットプログラムに使用されている。
同社は、ステアリングホイールやアクセル、ブレーキペダルを持たないR2を、公道で低速走行させることを米国の運輸省から認可された。R2は、住宅地や郊外のコミュニティを時速25マイル(約40キロ)程度のスピードで走行している。
(C)Nuro
ファーガソンによると、ネバダ州で製造される車両はR2よりも若干大きく、速度もより高速になる可能性があるが、詳細は明かされてない。ネバダ州の経済開発局の試算によると、Nuroの組立施設とテストコースは250人を雇用し、最初の10年間で22億ドルもの経済効果をもたらすという。
同社の共同創業者でCEOのジアジュン・ズーは、声明の中で「これはNuroにとって非常に重要な動きだ。当社はドミノピザやクローガー、FedExなどの業界のリーダーと戦略的パートナーシップを結んでおり、製造インフラへの投資を継続させる」と述べた。