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──アートはともすると、とても抽象的で、アートを言語化できる人は決して多くはないと思います。ただ、音楽でもアートでも言語化しづらい感性を言葉に落としていくことで、幅広くアートを理解してもらう必要もあるのではないでしょうか。

確かにその通りで、アートを言語化してビジネスに精通させる作業はとても大切だと思います。たとえば、現場に立って自分の作品に対する思いを語ろうとするアーティストの作品はよく売れていますが、経験豊富なアーティストは往々にして、一方通行的な思考をする傾向が強く、自らの作品に対して多くを語ろうとしません。そうすると、どんなに優れた作品でも販売力の点でどうしても劣ってしまうんですよね。いずれにしても、自分のアートを言語化できるアーティストは説得力があり、作品の販売力もあります。

──言語化という意味では、さらに伝わりづらくなるのが、海外への展開だと思うのですが、どのような方策が考えられるでしょう?

私自身も、音楽を扱っていた会社員時代、音楽も言語の壁があり、世界展開の難しさを身を持って体験しました。ただ、その点、言葉を必要としないアートはボーダレスなビジネス展開が可能になると思っています。特に最近はアジアのマーケットが日本のアートに関心を持ち始めていますので、まずは国内のアートフェアへの参入を皮切りにアジアにも徐々に活動の場を広げて、世界に通用するようなアーティストを日本からどんどん送り出したいと思っています。

──今後の抱負は

日本のアートビジネスマーケットは、まだまだ間口が狭いと思っています。しかし、これからは商業施設とのタイアップや、コラボレーション企画などを通して、アートを点ではなく面で捉えながらプロモートしていく必要があると感じています。

たとえば、スターバックスは各店舗の店長の決済で選んだ作品を店内に展示し、店を訪れる数多くの顧客に紹介しています。これからはスターバックスのような共同体を増やしながら、気軽にアートに接して、気軽にアートコレクションができる社会づくりをしていきたいと思っています。もちろん、オンライン展示や販売の機会を増やしていく必要もありますし、海外の現代アートギャラリーとの交流の機会も増やしていきたいと思っています。


小林真比古(こばやしまひこ)◎株式会社biscuit 代表取締役、2020年12月:広告会社を退社、2021年1月:株式会社biscuit創業、2021年3月:biscuit galleryオープン​​

インタビュー=谷本有香 文=賀陽輝代

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