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数々の受賞歴をもつ、国際的なデザインコンサルティング会社

(c)IDEO

IDEOは2016年から、アーリーステージのスタートアップを対象とする独立系ベンチャーキャピタル D4V(Design for Ventures)に携わっている。IDEOのデザイナーたちは、D4Vの投資先にあらゆる面におけるデザインサポートを提供している。

なぜ、アーリーステージのスタートアップにおいてデザインが重要なのか。優れたデザインやUXはどのように生み出すことができるのか。今回の記事では、D4Vでベンチャーキャピタリストとしてスタートアップの支援に情熱を注ぐ飯田麻衣​​とデザインディレクターの高橋亮がそのポイントを解説する。


今となっては誰もが、デザインが重要な要素であると信じていることだろう。特にUI/UXが素晴らしいプロダクトはユーザーに愛され、事業の成長に寄与する。

例えば、アップルが初めてiPodをリリースしたとき、そのUXは当時世界で普及していたmp3プレイヤーとはまったく異なる新しいものだった。パソコンなど他のデバイスに保存されている音楽ファイルをシームレスにiPodへ移行し、選曲・再生もできるというシンプルかつ直感的なUXがうけ、空前の大ヒットを記録した。まだベンチャーの域を出なかったアップルにおいて、このUXこそが成長のドライバーとなった。

カギは「人間中心のデザイン」


このように、デザインのなかでもUI/UXが成長ドライバーになると言われるが、どのようにしたら理想のUI/UXをデザインできるのか?

スタートアップの初期段階では、プロダクトをグロースさせる前に、しっかりとUI/UXの基盤を作ることが大事だ。アップルもグーグルも、実は初期から“基本軸”が変わっていない。ではその軸をどう決めていくのか、そこで重要になるのが、次の2ステップとなる。

1. 課題の発見(実際に解決したい課題を定義する)

2. ソリューションの検証(ソリューションを考え、適切か判断する)

さらに、この1-2のプロセスを効果的に回すには、「人(ユーザー)のニーズを適切にとらえること」がカギとなる。


(左から)D4Vベンチャーキャピタリスト 飯田麻衣、オフィスマネージャー 持麾容子、デザインディレクター高橋亮

プロダクトの開発では、技術や事業者の都合ではなく、ユーザーにとって使いやすく、本当に求められていることを形にする必要がある。つまり、人間中心デザイン(Human Centered Design、HCD)を反映したものづくりだ。

きちんとユーザーの声に耳を傾けて「課題を発見」し、彼らの声をベースにソリューション(プロダクト)を考ることが欠かせない。

ソリューションのアイデアが導き出されたら、次は「そのユーザー体験が本当に価値あるものなのか」の検証をする。この時点でスタートアップにありがちなのは、プロトタイプをつくることに時間と労力をかけすぎてしまうこと。この時点ではかっちりとしたものは不要だ。最初から完璧な形にする必要はなく、ユーザーが求めているUXかどうかを検証できさえすれば、簡易的なツールを使用して検証するのが近道となる。

チーム内にデザイナーがいない場合、または起業家・経営陣・エンジニアでも、人間中心デザインの視点を持ち日々の業務に取り入れることで、デザイン視点の価値をプロダクトに反映させることは可能だ。

文=IDEO(D4Vベンチャーキャピタリスト飯田麻衣​、デザインディレクター高橋 亮)

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