挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

18歳の夏、青年は有名私立大学から美術大学へと志望校を変えた。突然の進路変更に、日本画家である父からも待ったをかけられた。それでも彼の意志は固く、2浪の末に武蔵野美術大学へ入学した。

人生を大きく左右する決断をしてから、20年。東京ADC賞、JAGDA賞、ACC賞 金賞、グッドデザイン賞、D&AD イエローペンシル、OneShow 金賞、ClioAward 金賞、など、彼は数多くのアワードを受賞してきた。

これは大手広告代理店・電通で13年にわたりクリエイティブディレクター/アートディレクターとして活躍してきた小野恵央のストーリーである。

2021年2月。小野は再びターニングポイントを迎えることとなった。電通を退職し、小売に特化したDXソリューションカンパニー・イングリウッドの執行役員兼CCO(Chief Creative Officer)に就任したのだ。

EC事業を強みに持つ同社。彼がこれまで関わってきたクリエイティブ領域とは、一見毛色が違うように見える。なぜ、小野は新天地を目指したのか。

賞レースを総なめした男を惹きつけた、黒川の“引力”


「実は私、イングリウッドという会社の存在を全く知らなかったんです。代表の黒川隆介に会うまでは」

知人を介して、出会った2人。2度目の面談の場で黒川は早々に「入社してほしい」と小野にラブコールを送った。それまでも複数の有名企業から引き合いがあった彼だが、心がなびくことはほとんどなかった。しかし、黒川の話には“強い引力”が感じられたという。

「イングリウッドは、自社事業から他社支援サービスまで多角的な事業を展開しています。クリエイティブという観点で見ると、コーポレートブランディングはもちろんのこと、自社が運営するECサイトから、クライアントワーク、そしてプライベートブランドまで、ありとあらゆる業務に携われる。枠を超え、常に新しい仕事と出会える環境を求めていた私にとっては、うってつけの会社だと思いました」

小野が同社に惹かれた理由はもう1つある。それは、黒川自身の人となりだ。

「聡明でロジカルな思考を持ちながらも、石橋を叩きすぎずに大胆な施策を打ち出す。事業への熱量や自信が溢れている一方で、冷静かつ客観的に弱みも分析している……話を聞きながら、黒川の中にある“振れ幅”が垣間見られて。それが私にとって人間らしい魅力として映ったんです」

2005年の創業以来、イングリウッドのブランディングやデザインの統括はすべて代表である黒川の手に委ねられてきた。もともとアートに造詣の深い彼。それを物語るかのように、同社のエントランスや会議室には、自らセレクトしたオブジェや絵画がデコレートされている。

「黒川は、会社が成長するにつれて社長業が多忙を極め、商品などのモノを見る機会が減っていき、デザインの判断に確信が持てなくなってきた、と胸の内を明かしてくれました。そして、何周もまわってみて『売れるか売れないかを決めるのは、最終的にデザインの力によるところが大きい。だから、わが社にはCCOが必要なんだ』と」

その言葉を聞いて、小野は入社の意志を固めた。

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傾聴、対話、説明......コミュニケーションに人一倍時間をかけるワケ


2021年2月。小野はCCOに就任してすぐに、“イングリウッドの顔”を整えるべく、ロゴの改定と会社パンフレットの刷新に取り掛かった。

取材したのは、入社してからわずか4カ月。にもかかわらず小野は、自社ブランドの立ち上げや他社のリブランディングにも関わり、次々とローンチさせていた。

イングリウッドが手掛ける冷凍総菜お届けサービス「三ツ星ファーム」では、ロゴや商品パッケージ、パンフレット、WEBサイトのデザインを統括した。ジョイン後初の大仕事に際し、彼は何を意識して、プロデュースに臨んだのだろうか。

「『三ツ星ファーム』のメニューはどれも、管理栄養士が監修した栄養バランスと有名シェフお墨付きの美味しさを兼ね備えています。和食・洋食・中華・エスニックからなる豊富なラインナップも魅力の1つです。忙しない日常の中に、理想的な食事を手軽に取り入れられるという利点もある。

こうした特徴を踏まえた独自の世界観をつくり上げるにあたって、特に注力したのはWEBサイトでした。『三ツ星ファーム』のホームページは、ブランドサイト、ECサイト両方の要素を併せ持っているのですが、実は、この2つに求められる技術や視点はまるで違います。

私自身、これまでブランディング領域には積極的に関わってきたものの、問い合わせや購入を促すLP(ランディングページ)の知識はゼロ。当社のエキスパートの意見に耳を傾けながら、離脱せずに熟読し、購入してもらえるようなページ構成を目指しました」

プロジェクトに取り組む際、彼が最も重要視しているのが関わるメンバーとのコミュニケーションだ。

「いろんな立場の人から話を聞き、できるだけ多くの視点を得る。企画意図を正確に理解してもらえるよう、説明を重ねる……電通に在籍していた時は関わる人も多く、仕事の半分ぐらいは人とのコミュニケーションに費やしていました。

人の話には何かしらヒントがあると思っているので、例え入社したての新人であっても、意見があれば丁寧に耳を傾けるようにします。後輩からも『小野さんは本当によく話を聞いてくれますよね』と言われました、そういえば(笑)。

その一方で、クリエイティブやデザインについて誰にでも分かるように説明する重要性も認識しています。

どんなに良い案を思いついたとしても、その価値をクライアントや社内担当者などに正確に伝え理解が得られなかったら実現しません。常に『なぜ、こういうクリエイティブが必要なのか』、そのエビデンスを検証によって明確にし、どんな質問にも答えられるようにしています」

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心地よいクリエイティブ、売れるクリエイティブの共存を


屈託のない笑顔を見せながら「美大浪人時代が割と大変だったせいか、社会人になってから何かが辛いと感じたことは1度もないです。むしろ楽しいことばかり」と話す小野。新天地へ移った今、どのようなやりがいを見出しているのだろうか。

「イングリウッドが関わるすべての商品・サービスを“売れる”デザインに変えていくこと。それが最大のモチベーションです。

例えば、ECサイトについても、これまで当社が得意としてきたLPの知見をうまく活かしつつも“良質なデザインによる心地よい体験”をユーザーに提供していきたいですね。

事業会社の一員となって、私たちの作ったクリエイティブが会社の利益にどう影響を及ぼすのかが如実に把握できるようになりました。緊張感はもちろんありますが、これまでにはなかった充足感や“仕事の意義”を日々噛みしめています」

彼がイングリウッドへの入社を決意した理由が、実はもう1つある。それは、新たなチームを自らの手でゼロからつくれるということだ。

「なかなか経験できない貴重な機会だと思いました。

当初自分が予期しなかった着地点に到達する。それがチームでクリエイティブワークをする面白さだと考えています。議論を交わし、メンバーが持つクリエイティビィティをうまく掛け合わせながら、常に何らかの“新しさ”を提供する。1人ひとりが日々の仕事を心から楽しいと思える。そんなチームを目指していきたいですね」

傾聴型CCOの誕生に沸くイングリウッド。小売業に、そしてEC業界に新たなムーブメントが起こるのは間違いないだろう。

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