同州上院は8月17日、この法案を全会一致で可決し、ロイ・クーパー知事(民主党)に送った。知事は署名する予定だが、もともとは18歳未満の結婚を禁止する法案を望んでいた。
ノースカロライナ州では現在、14歳であっても、妊娠しているか、すでに子どもがいる場合には、裁判所の許可があれば結婚することができる。
地元紙シャーロット・オブザーバーによると、今回の法案では、16歳と17歳の結婚については引き続き認めている。ただし、相手が年上の場合には、年齢差が4歳以下でなければならない。
ハワイ州、カンザス州、メリーランド州、ユタ州、ミシシッピ州では、15歳でも結婚ができる。しかしどの州でも、親あるいは裁判官、あるいはその両方の承認が必要だ。一方、マサチューセッツ州では結婚に年齢制限はないが、本人の両親ならびに裁判官の承認がなくては結婚できない。
ノースカロライナ州クーパー知事の広報官Mary Scott Winsteadは、米フォーブスに宛てた声明で次のように述べた。「法案では、結婚の最低年齢を18歳に引き上げることは叶わなかったが、ノースカロライナ州における未成年者の結婚を終わらせ、青少年の保護を強化する方向へと進んだ今回のステップを、知事は支持している」
米国の子ども婚廃止を目指す団体「アンチェインド・アット・ラスト(Unchained at Last)」によると、18歳未満の「児童婚」を禁止している州は、デラウェア州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、ミネソタ州、ロードアイランド州、ニューヨーク州の6つだ。2018年に初めて18歳未満の結婚を禁じる法律を可決したのはデラウェア州で、残りの44州は、少なくとも何らかのかたちで18歳未満との結婚が許可されているという。
アンチェインド・アット・ラストは17日、ツイッターに、「誤解のないように言っておくが、ノースカロライナ州は児童婚を非合法にしたわけではない」と投稿した。「同州は、児童婚でもリスクが最も大きい16歳と17歳を無防備なままにしている。今回の法案は、その廃絶にほとんど何の効果もないだろう」
結婚については州ごとに法制化されている。そのため、ミズーリ州をはじめとするいくつかの州は、未成年者と結婚しようとする人たちが集まる場と化していると、シンクタンク「Child USA」は述べている。
シャーロット・オブザーバー紙によると、ノースカロライナ州超党派議員が提出した18歳未満の結婚を禁止する法案は、一部の州議会議員が「10代と結婚した経験があるか、自分が10代のうちに結婚したか、そうした知人がいる」ことを理由に、修正を余儀なくされたという。
アンチェインド・アット・ラストによると、2000年から2018年のあいだに米国で結婚した未成年者は、推定で29万7000人だ。そのうち、17歳は3分の2で、16歳が29%だった。未成年で結婚した10人のうち、ほぼ9人が女性。相手は、平均で4歳年上の男性だった。