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Rampの共同創業者 Karim Atiyeh(左)とEric Glyman(右)/ Getty Images

創業2年の法人向けクレジットカードのスタートアップ企業「Ramp」は、今年4月にゴールドマン・サックスと決済大手ストライプの主導で1億1500万ドルを調達したばかりだが、新たに3億ドル(約330億円)を調達した。同社の評価額は39億ドルとされ、4月当時の16億ドルの2倍以上に上昇した。

8月24日に発表されたRampのシリーズCは、既存出資元のファウンダーズ・ファンドが主導した。ニューヨークを拠点とするRampの累計調達額は、6億2000万ドル以上に達している。今回のラウンドには、Redpoint VenturesやThrive Capital、D1 Capital Partners、ストライプなども参加した。

同社のCEOを務めるエリック・グリマン(31)は、ハーバード大学出身の元金融アナリストで、2020年2月にRampを立ち上げた。「アメリカン・エキスプレスは当社の100倍以上の規模がある。顧客がより多くのお金と時間を節約できるようにするために、当社は事業を拡大していく」とグリマンは述べた。

Rampは、BREXやDivvyと同様に、「手数料無料・金利ゼロ・キャッシュバック特典付き」の法人向けクレジットカードを提供しているが、AI(人工知能)を用いてトランザクションを分析し、節約の機会を特定する経費管理プラットフォームで差別化を図っている。

グリマンは、同社がパンデミック後の顧客の節約志向の高まりを追い風に成長したと述べている。Rampの顧客は推奨されたコスト削減により、年平均で約3.3%の経費を削減しているという。

創業から2年足らずのRampの顧客数は2000社を超えており、不動産会社のダグラス・エリマンや非営利団体のプランド・ペアレントフッドに加え、ClubhouseやBetterなどのスタートアップも同社のサービスを利用している。

Rampは収益を公表していないが、業界平均で約2%のマーチャント・フィーを収益源としており、カード発行会社のVisaとそのパートナーのSutton Bankらとそのフィーを分配している。現在までにRampのカードにチャージされた金額は約25億ドルで、4ヶ月前から2倍に伸びたという。

今年のフォーブスの「Fintech 50」にも選ばれたRampは、新たな資金で自動化と節約機能をさらに強化する予定で、その一環として、カナダを拠点とするBuyerを買収した。Buyerは、ソフトウェアなどの高額な買い物をする際に、顧客が30%近く節約できるように交渉するサービスを提供しており、RampはBuyerのデータを活用して、ソフトウェア会社との交渉を有利に進めようとしている。

グーグルなどのトップ人材を採用


さらにRampは採用を強化しており、Google BrainやDropbox、Webflowなどから人材を招き入れている。「今年は65人でスタートしたが、今では約150人を抱えている」と、グリマンは述べた。

しかし、この分野の競争は激化している。Divvyは6月にBill.comに25億ドルで買収され、BREXは、4月下旬にTiber Global社から4億2500万ドルを調達した。

だが今のところ、グリマンは市場規模の大きさを理由に、競合のスタートアップを意識していない。Rampの顧客の3社に1社は、アメリカンエクスプレスからの乗り換えで、乗り換えた後は、約90%がConcurやExpensifyなどの経費管理プラットフォームの利用を停止している。

「競争は歓迎すべきものだ。すべてのプレイヤーを向上させ、誰もが気を抜けない状態にしてくれる」とグリマンは語った。

編集=上田裕資

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