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カマラ・ハリス米副大統領(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

米国のカマラ・ハリス副大統領は、8月24日にベトナムを訪問したが、「ハバナ・シンドローム」と呼ばれる正体不明の症状への懸念から、フライトは数時間遅れで現地に到着した。ベトナムの首都ハノイでは、先週末に複数の米軍関係者がこの症状を発症していた模様だ。

ハリス副大統領は、中国が影響力を行使している東南アジア地域への訪問の一環としてハノイを訪れたが、シンガポールで3時間のフライトの遅れが生じたという。

NBCニュースによると、先週末にハノイで2人以上の米国人スタッフが「奇妙な音」と「ハバナ・シンドローム」に関連する症状で避難したという。ハノイの米国大使館は「ここ最近の異常な健康関連の事案」のために副大統領のスケジュールが遅延したと述べている。

ハバナ症候群とされる症状の人々は、甲高い音が原因で頭痛やめまい記憶喪失などの症状を発症するとされるが、米国の諜報機関は、この音が敵国が米国の外交官や政府職員に、マイクロ波エネルギーを照射した結果ではないかと疑っている。しかし、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、CIAや国務省などによる調査で、この病気とロシアや中国、キューバなどの国との関連を示す証拠は発見されていないという。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ドイツの2人以上の米国人スタッフも最近、ハバナ症候群に関連する症状を報告していた。また、1月下旬以降、ウィーンに居る約20人の米政府関係者がこのような症状に見舞われたという。

ハバナ症候群は、2016年にキューバの米国大使館員によって初めて報告されたことからその名が付けられ、これまで200人以上の米国人職員とその家族に頭痛、めまい、吐き気、記憶喪失などの症状をもたらしている。米国科学・工学・医学アカデミーは12月、この症候群の原因として最も可能性が高いのは「指向性のあるパルス状の高周波エネルギー」であると報告した。

冷戦時代の秘密兵器説も


WSJによると、「エネルギー・アタック」とも呼ばれるこの技術は、米国と旧ソ連で兵器としてテストされたことがある模様だ。CIAのウィリアム・バーンズ長官は7月のNPRの取材に、この技術が米国を攻撃するために使用されている「非常に強い可能性」があると述べていた。

JAMAに掲載された2019年の論文によると、症状を感じたハバナの米国大使館員の脳には「微妙な差」があることが判明したが、外傷性の脳障害の兆候は見られなかったとNPRは報じている。

また、別の論文では、ハバナ症候群に関わる証拠や主張は否定されている。NPRによると、2017年に録音された頭痛の原因となる音はコオロギの鳴き声であることが判明した。また、シリアで報告された米軍関係者に対する「ロシアのエネルギー攻撃」は、実際には食中毒だったとNYTは報じている。

NPRによると、アントニー・ブリンケン国務長官は6月に上院議員に対し「何かが起きていることは確かだが、何が原因なのかわからない」と述べたという。

編集=上田裕資

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