スター選手以外にもっと報酬を 全米テニス、優勝賞金を減額

全米オープン2018女子決勝戦でのセリーナ・ウィリアムズ(左)と大坂なおみ(右)(Photo by Mohammed Elshamy/Anadolu Agency/Getty Images)

8月30日に開幕するテニスの全米オープンの男女シングルスは、賞金総額が5750万ドル(約63億円)で過去最多になる一方、優勝賞金は各250万ドル(約2億7000万円)と昨年より50万ドル(約5500万円)少なくなった。主催者が選手側などと話し合い、スーパースター以外の選手らも賞金をもっと受け取れるように配慮した。

全米テニス協会(USTA)の23日の発表によると、選手やツアー管理側と協力して、賞金をより公平に分配する方法を考えたという。

予選トーナメントには合計で約600万ドル(約6億6000万円)の賞金が割り当てられ、これは2019年に比べ66%の増加になる。昨年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で予選は実施されなかった。今年はやはりコロナをめぐる懸念を考慮し、無観客で実施される。

全米オープンの賞金総額は、これまでは2019年の5720万ドルが最多だった。今年の優勝賞金は2019年に比べると135万ドル(約1500万円)少なく、2012年以降では最少。準優勝者の賞金も150万ドル(約1億6000万円)から125万ドル(約1億4000万円)に減額された。

全米オープンのステイシー・アラスター大会ディレクターは「選手や両ツアーのマネジメント側とオープンな対話を行い、ラウンドごとの賞金配分を決めた」と説明。「賞金をできるだけ多くの選手に行き渡るようにした、彼らによる共同のリーダシップをたたえたい」と述べている。

予選は24日から始まり、本戦は来月12日まで開催される。男子では今季、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドンを制しているノバク・ジョコビッチ(セルビア)の年間グランドスラムがかかっている。優勝すれば1969年のロッド・レーバー(オーストラリア)以来の同一シーズン4大大会制覇となる。

全米オープンで初めて賞金が与えられた1968年、優勝したアーサー・アッシュ(米国)が得た賞金は1万4000ドル、賞金総額は10万ドルだった。

編集=江戸伸禎

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