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2021.08.28

1億3000万人が使う「ポルノのサブスク」OnlyFansが脱アダルト宣言

Mehaniq / Shutterstock.com


出演者は売上の80%を取り分に


英国生まれの起業家のストークリーが2016年に設立したOnlyFansは、アダルト界の伝説的なウェブマスターでビデオグラファーであるビル・フォックス(故人)の協力を得て、このサイトにアダルトパフォーマーらを招き入れた。

「英国人の彼らは米国のアダルト業界を知らなかった。ビルのおかげで彼らはOnlyFansの名を世に広めることができた」と、200本の作品を監督したアダルト業界のベテラン、ブラッド・アームストロングは言う。

パフォーマーにとって、彼らの提案は非常に魅力的だった。多くのウェブカムアダルト会社は、パフォーマーの売上の70〜80%を取るが、OnlyFansはその逆で、稼いだお金の80%を自分のものに出来た。OnlyFansに活動の場を移すことは、性的コンテンツで収入を得ている人にとって当然のことだった。

アダルトパフォーマーの組合のAdult Performance Artists Guildの会長のAlana Evansは、OnlyFansがメインストリームの方向に進み、アダルトコンテンツを排除することで、多くのパフォーマーの暮らしが脅かされると危惧している。「私達は収入の道を閉ざされてしまう」とAlanaは述べた。

1990年代のシットコム「ボーイ・ミーツ・ワールド」で有名になった後、アダルト・パフォーマーになったメイトランド・ウォードは、現在OnlyFansで年間100万ドル以上の収入を得ているが、彼女もクリエイターたちが新たなルールに怯えていると話した。

「OnlyFansが何十億ドルも稼いだ後に、セックスワーカーたちを脇に追いやろうとしているのは最悪だ」とウォードは言う。とはいえ、彼女はセックス抜きのOnlyFansは成立しないと考えている。

「OnlyFansはポルノなしでは生きられない。彼らが次はヌードを排除して、インスタグラムになろうとしても無理だろう」と彼女は話した。

しかし最近、カリフォルニア州の家を売り払い、バハマに移住して隠居生活を楽しんでいるアームストロングは、別の見方をしている。彼は、ポルノから始めてメインストリームを目指すOnlyFansの方針が理にかなっていると述べた。

OnlyFans は、かつてはBhad Bhabieのようなアダルト界のセレブのための場所だったが、やがてD級やC級のスターが参加するようになり、今では、もっと有名なセレブを呼び込めるようになった。

「セレブたちは、自分がOnlyFansでどれだけ稼げるかを知り、信頼性を高めている」とアームストロングは話す。「メリル・ストリープやロバート・デ・ニーロが参加するかどうかは別として、OnlyFansがメインストリームを目指すのは必然の流れだ」と彼は語った。

「それに、ビジネス的にはそのほうが理にかなっている。ビヨンセに1分間『ハイ、ガイズ!』って言ってもらうための費用が、名もない女の子たちにカメラの前で体を揺らしてもらう費用が同じだとしたら、当然、ビヨンセに仕事を頼むべきだろう」と、アームストロングは続けた。

編集=上田裕資

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