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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

2021年夏、私たちが目の当たりにしたのは、「場当たり思考」だった。東京オリンピックの開催と運営、新型コロナへの対応と経済対策、緊急で重要なのにあれもこれも「場当たり的」と批判された。準備する時間は、たっぷりあったのに、である。

日本経済の「失われた30年」もそうだったが、足りないのは「時間は有限だ」という意識ではないだろうか。私たちは予言者になれないものの、確実に訪れる未来(例えば、日本の社会の人口が減って超高齢化社会になるなど)はある。あるべき未来を描き、そこから逆算してリスクをコントロールする姿勢こそ重要である。その途上でどのようなパラダイムシフトが起きるのかを読み取るべきだろう。

本来、社会にとって必要だった思考の「型」を、一流の投資家たちの頭脳や視点、ハートに探れないだろうか。それが、今回の特集を思い立った経緯だ。

投資思考の入り口は、人生への意識


8月25日に発売のForbes JAPAN 10月号では、お金にまつわる2大特集を組んだ。その一つが、「武器としての『投資思考』」と題した特集だ。内容はいわゆる「投資術」ではない。投資家やキャピタリストを中心に総勢22人、20代から60代の男女が「投資」における自らの思考と、その源泉について語っている。

投資の対象は企業だけとは限らない。人物や想い、共有するビジョンに投資することもある。一方、投資するものもお金だけではない。時間や機会、情熱さえもそうである。

そんな「投資思考」を考える旅の出発点は、数々の国内企業を再生してきた経営共創基盤の冨山和彦と、資本主義研究をライフワークとする元森ビルCFOの堀内 勉の対談から始まる。

日本社会が直面する課題に対し、堀内は言う。「問題には2つの側面がある。1つは大きなシステムの問題。もう1つは個々人がどう生きるかの問題」であると。「システムが良くなるのを待っていたら、死んでしまう。それより個人が強くなったほうが早い」のだ。

議論は徐々に、有限の人生で個人がどう生きるべきかという話題に深まっていく。冨山の次の言葉は、若い読者にこそ響くだろう。「時間の投資対価は、圧倒的に若いときのほうが高いことも知るべき。逆に考えるべきではないのは、若い時期の報酬。そんなものは気にしてはいけない」。

文=神吉弘邦

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