教室に通わせても逆効果? 親が勘違いしているプログラミング教育

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「論理的思考」は「読解力」にもつながる


「プログラミング」というと、英数字の文字列のいわゆる「コード」を書くことを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、小学校の「プログラミング教育」は「コード」を書くこと自体が目的ではありません。真の目的の1つは、“問題解決や論理的思考に必要な力を学ぶ”ことであり、そのツールのひとつとしてプログラミングを利用しているのです。

また、近年はお絵描きや命令ブロックの組み立てでプログラミングできる「ビスケット(Viscuit)」「スクラッチ(Scratch)」「micro:bit」ほかたくさんのツールがあり、子どもたち向けのプログラミング教育ではこれらも利用しています。

また、パソコンやタブレット上だけでなく、アナログなカードなどを使って学ぶこともあります。

「論理的思考」という言葉が出ましたが、これは決して「理屈っぽい」というわけではなく、むしろ筋道を立てて「理屈=論理」をしっかり考えることができる能力ということです。

この能力は、「プログラミング的思考」の基礎となる考え方でもあり、プログラミングでアプリを作ったりシステム開発を構築する以外にも、ビジネスでの問題解決、電車の乗り換えや料理の手順に至るまで、日常のあらゆる場面で活躍します。さらに、近年話題になっている「読解力」にもつながります。

あるフリマアプリの広告で、このようなコピーを見たことはないでしょうか。

“売れたものの半数以上が、24時間以内に売れています。”

この広告を目にして、「そうか、出品したら24時間以内に半分は売れるんだ!」という意味にとってしまった方はいないでしょうか。ですが、よく考えてみると、24時間以内に売れたのは、あくまで「売れたもの」のうちの半分であって、「売れなかったもの」は含まれていません。

「出品された全てのうち半分」ではないのです。つまり、100個の商品を出品して、売れたものがたった1個しかなかったとしても、その1個が24時間以内に売れていればこのロジックは成り立つのです。残り99個が売れていなくてもウソにはなりません。

「出品されたものの半数以上が売れています、それも24時間以内にです」ではなく……

出品された全商品のうち、どれくらい売れたのかはここでは触れません。売れたものもあるし、売れなかったものもあります。その売れたもののうち半数以上が、24時間以内に売れています。

売れたもののうちの残りは、24時間では売れませんでした。25時間かもしれませんし、1週間かもしれませんし、1カ月かもしれません。とにかく最後には売れています。 

ということなのです。



結局当たり前のことが書かれているだけです。この広告のコピーライターは、このような「論理としては間違っていないが、期待する方向に勘違いしてくれるのでは」と期待しながら、絶妙な文章を作り上げたのではないでしょうか。
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