新型コロナの教訓をどう生かす? G7策定の「100日ミッション」とは

将来のパンデミックにどう備える?(Shutterstock)


最も重要なのは、100日ミッションのスタートラインを正しく設定することです。そのためには、科学的根拠に基づき、デジタル化されたグローバルなパンデミック監視システムを導入する必要があります。

このようなシステムにより、異なる情報源からのデータを信頼できる中立的なデジタル・インフラに集約し、パンデミックに発展する可能性のあるアウトブレイクを特定することができます。これは、意思決定者が準備を強化してスタートラインに立つための貴重な時間を稼ぐことにつながります。また、このシステムの「平時」版が常時、静かに稼働していれば、個人や地域社会の継続的な健康管理の向上にも貢献します。



このようなシステムは、うまく稼働させるために包括的で協調的かつ巧みなものである必要があります。卓越した研究拠点をいくつかの地域に設置するだけでは不十分で、世界中に公平な分散型ネットワークである「ハブ・アンド・スポーク」を構築することがより効果的と言えます。

また、通常の公的なデータソースは、民間セクターからの情報提供や、その他通常利用されていないデータソースと組み合わせる必要があります。信頼を構築・維持する形でこれを実行するには、分散型技術やプライバシー保護技術など機密データにアクセスする新たな方法を導入することが求められます。

また、市民やコミュニティの参加も必要です。人、動物、地球の健康を守る「ワンヘルス」の領域で監視に当たる市民科学者、すなわち「疾病探偵」という、わくわくするようなビジョンがあります。この分野で新しいエネルギーやアイデアが次々と生み出されていることは、これが理想主義的な希望ではないということを示しています。

パンデミックの特定、対応、復興への支援を目的としたデータ・イノベーションファンド組織、トリニティ・チャレンジには61カ国から340のソリューションが寄せられ、新型コロナウイルス感染拡大による経済的影響から地域社会を復興させるために最高のデータサイエンスソリューションを適用することを目的としたdata.orgの「包摂的な成長と復興のチャレンジ」には、108カ国から1200件以上の応募がありました。
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