スタンフォード大学の行動科学者であり、スタンフォード大学行動デザイン研究所の創設者兼所長が20年かけて開発した「人間の行動を変える衝撃メソッド」が公開された内容だ。
この方法は、すでに多くのビジネスパーソンや学生たちが試してきており、効果は証明済み。著者による、人間行動の秘密を解き明かした伝説のレッスンからは、インスタグラム共同創業者も生まれている。
著者はそれがどんな種類の行動であれ、すべて「能力・モチベーション・きっかけ」の調整によって変化を起こせると説く。著者の行動モデルを理解し活用すれば、今後の人生においてとても大きな武器となり財産となるはずだ。
生きていく上で、嫌な気分になることは避けられない。しかし、嫌な気分を極力引きずらず、幸福でいるためにはどうすればよいのか。ダイヤモンド・オンラインからの転載で、同書の一部から抜粋してお届けする。
「真珠の習慣」を身につける
自分にとって苦痛な状況から脱出したいなら、ここで紹介するスキルは非常に有益だ。
私は長年、十分な睡眠を取ることが課題だった。睡眠の重要性はわかっていながら、睡眠不足が深刻な悩みの種になっていた。
Getty Images
寝室内の音が気になって真夜中に目が覚めるのが原因のひとつだった。エアコンの送風機能のオンとオフが切り替わるときに、カチッと音がするのだ。私は性能のいいエアコンに取り替えようと思っていたが、もっと手っ取り早くて簡単な解決策があった。
ある晩、目が覚めて、またカチッと音がすると身構えていたとき、この音を「顔と首をリラックスさせる」ためのきっかけにしようとひらめいたのだ。
そこで「カチッという音を聞いたら、顔と首をリラックスさせる」という行動の「レシピ」をつくった。これはすぐに習慣になった。いまではカチッという音を聞くとリラックスする。
このノイズが聞こえるとむしろ幸せな気分に包まれるようになった。よく眠れるようにリラックスしなさいと忠告してくれているのだから。
私はこれを「真珠の習慣」と呼んでいる。最初は苛立たしかったきっかけが、やがて美しいものに変化したのだ。