新型コロナウイルスのデルタ株を巡る懸念により消費者がショッピングを控える中、同社の2021年第2四半期の業績は好調だった。同社の報告によると、米国の既存店売上高は6.1%上昇していた。
その背景には、食料品分野の売り上げが非常に高い業績を記録し、6%増加したことがある。経営陣は、食料品分野の売り上げ増について、値段の上昇が控えめだったことによるものだと指摘している。また生鮮食品の提供が増えていて、在庫状況は四半期を通して改善されていた。
同社はまた、ペットや美容、ベビー商品分野でも好調だった。電子商取引の売り上げは前年から6%成長したが、2年で見ると成長率は103%だ。同社はネットでの売り上げが年末までに750億ドル(約8兆2000億円)になることを見込んでいて、それを近い将来1000億ドル(約11兆円)にすることを目指している。
健康とウェルネスの分野も売り上げが好調で、10%台半ばの成長率だった。ウォルマートで眼鏡やコンタクトレンズなどを提供するビジョンセンターは昨年閉鎖されていたものの、今年の売り上げはセンターの再開とワクチン接種、ブランド薬品の価格上昇に助けられた。
日常生活の回復による影響も
第2四半期は、新学期用品のカテゴリーが好調な滑り出しだった。これには、学校での子どもの対面授業が再開することを受け、親らがその準備をしていたことが示されている。また人との交流の機会が増えたことや、家族で夏季休暇の旅を計画する人がいたことも、この分野の業績の高さに示されていた。
特に目覚ましかったのが、ウォルマートの会員制量販店「サムズ・クラブ」の既存店売上高が7.7%増加し、電子商取引の売り上げが27%増加したことだ。会員数は最高記録に達し、第2四半期に12.2%増えた。
一方、ウォルマートの海外での売り上げは15.2%減り、41億ドル(約4500億円)減の230億ドル(約2兆5000億円)となった。日本とアルゼンチンでの子会社の売却や英スーパーマーケットチェーン「アスダ」の売却が原因だ。また通貨為替レートの変化により、純売上高には24億ドル(約2600億円)の良い影響が生じた。