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(c) Virgin Orbit/Greg Robinson

リチャード・ブランソンが経営する小型衛星打ち上げ企業「ヴァージン・オービット」が8月23日、SPAC(特別買収目的会社)との合併によりナスダック市場に上場する計画を発表した。合併相手のNextGen Acquisition Corp. IIは、ヴァージン・オービットの企業価値を32億ドルと評価し、4億8300万ドル(約530億円)を出資する見通しだ。

ブランソンは7月11日、自身が設立した宇宙旅行会社「ヴァージン・ギャラクティック」のロケットで、ジェフ・ベゾスよりも一足先に宇宙への旅を実現させており、今年1月にはヴァージン・オービット社による衛星ペイロードの初打ち上げを成功さていた。

オービット社は、6月に2回目の打ち上げを成功させ、NASAを含む顧客のために17個の衛星を宇宙空間に展開したが、この朗報を受けて、ブランソンは間もなく同社を上場させるとの噂が浮上していた。

ギャラクティック社は、2019年10月に元フェイスブック幹部のチャマス・パリハピティヤが運営するSPACの「ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィア」との合併により上場しており、ブランソンにとってオービット社はそれに続く2社目のSPACを用いた上場企業となる。

ギャラクティック社は莫大な損失を抱えているが、時価総額は60億ドルに達している。

ブランソンは8月23日の声明で、ボーイング747型機から空中発射されるロケットを使って衛星を宇宙に送り込む打ち上げるヴァージン・オービットのチームは「新しいアイデア、新しいアプローチ、新しいキャパシティを生み出す能力があることを見せつけた」と述べた。

5年後に売上20億ドル目指す


フォーブスの試算で保有資産が44億ドルのブランソンは、自身が経営するヴァージン・グループからオービット社に10億ドル以上を注いでいる。投資家向け資料によると、オービット社は3億ドルの契約を締結済みで、さらに13億ドルの契約の交渉を進めており、2026年の売上は20億ドル以上を見込んでいる。

同社は、今年1月と6月の打ち上げを含む2021年の売上を1500万ドルと予測しており、2022年の売上見通しを7000万ドルとしている。

オービット社は、ナスダック市場にティッカーシンボル「VORB」で上場する予定だ。同社の競合のロケットラボやアストラ社などもSPACとの合併で上場の準備を進めている。

ブランソンは現在、ヴァージン・オービットの80%を所有しており、残りの20%をアブダビの政府系ファンドのムバダラが所有している。合併後は、NextGen社の一般株主が10%、その他の投資家が5%を取得するため、既存株主の持ち分は85%に希薄化される見通しだ。

編集=上田裕資

ヴァージン・グループ宇宙

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