この動きが報じられたのは、電子カルテ企業のCerneがGoogle Healthトップのデビッド・ファインバーグを同社のCEOに抜擢すると8月19日に発表してから数日後のことだ。
ファインバーグは2018年にグーグルに入社し、その頃異なる領域にまたがっていたグーグルのヘルスケア関連の取り組みを整理するイニシアチブの指揮をとってきた。生まれ変わったGoogle Healthは、AI(人工知能)やその他の先端テクノロジーを、伝統的な医療システムに提供し、デジタル化を加速させようとしていた。
しかし、その取り組みは過去のものになりそうだ。Googleのリサーチ&ヘルス部門の上級副社長のジェフ・ディーンは、社内メモでGoogle Healthが今後、統一された組織としての運営を停止すると述べた。その代わりに、医師向けの医療記録検索プラットフォームを構築するグループが、ディーンの配下に置かれるという。
その一方で、同社の検索とAI担当副社長のヨシ・マティアス(Yossi Matias)の配下には、AIに特化したヘルスケアのイニシアチブが置かれるという。また、グーグルの最高医療責任者であるカレン・デサルボ(Karen DeSalvo)は、同社の法務部門責任者のケント・ウォーカーの部下になるという。デルサボはこれまで、Google Healthのチームに規制や臨床に関する指導を行ってきた。
医療大手との提携でデータ保護問題
ディーンは、数カ月に及んだ採用活動を経てファインバーグを招き入れたが、その後、Google Healthは様々な問題に直面した。
グーグルと医療グループ大手のAscensionとの提携は、プライバシーに関する懸念から議会からの追求を受けた。このプロジェクトは、グーグル社内で「プロジェクト・ナイチンゲール」というコード名で呼ばれていたが、同社はAscensionから入手した患者のデータを無断でクラウドにアップしていたとされる。