ソフトバンク出資の自閉症治療のスタートアップ「Opya」の躍進

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自閉症治療のスタートアップ「Opya」のCEOを務めるAlden Romneyは、自閉症の子供を可能な限り多く治療することを目指している。カリフォルニア州サンマテオに本拠を置く同社は、人によるセラピーとテクノロジーを組み合わせ、6歳以下の児童の治療を行っている。

米国では、8歳までに54人に1人の児童が自閉症と診断されており、治療プログラムに対する需要は非常に大きい。「現在、150万人の子供が支援を必要としている。早い段階で治療を行うことで最良の結果を出すことができるため、我々は早期介入に特化している」とRomneyは話す。

Opyaは、臨床医による在宅診療を提供している。同社はまた、行動療法や作業療法、言語聴覚療法を組み合わせ、患者ごとにパーソナライズした遠隔医療プログラムも提供している。自閉症治療はフラグメンテッドな市場だが、Opyaのようなアプローチは珍しい。

「我々は、独自のテクノロジーによって保護者と臨床医がより効率的にコミュニケーションを取ることを可能にした」とRomneyは話す。Opyaのアプリは米国のHIPAAに適合しており、保護者は治療のない日でも治療提供者に連絡し、子供の気分や態度について相談することができる。

Romneyは以前、Pacific FertilityのCEOやOne Medical Groupのバイスプレジデントを務め、2019年8月に設立3年目のOpyaに参画した。当初はリアルな治療センターでサービスを提供していたが、1年後に新型コロナウイルスのパンデミックが起き、同社は急拡大した遠隔医療市場に参入した。

Opyaの従業員数は、パンデミックの最悪期に12人まで縮小したが、現在は100名以上に増えた。そして同社は8月18日、シリーズAラウンドでソフトバンクのオポチュニティ・ファンドやPanoramic Ventures、Disability Opportunity Fund、Raven One Venturesのほか、既存株主のDivergent InvestmentsやAltitude Venturesなどから総額1540万ドル(約17億円)を調達したと発表した。
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編集=上田裕資

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