その結果、アマゾンの創業者で保有資産1855億ドルのジェフ・ベゾスが、世界一の富豪の座を奪還した。
今年の世界の富豪ランキングはジェットコースターのように浮き沈みが激しい状況にある。この3人はフォーブスのリアルタイム・ビリオネア・ランキング上で年初から首位を争っており、それぞれが1位に立った後に別のメンバーにその地位を奪われている。
ランキングの歴史を振り返ると、これほどの順位の入れ替わりは珍しいことと言える。フォーブスが1987年に世界の富豪の保有資産額の追跡を開始してからの30年間で、世界トップの富豪の座に立ったのはわずか6人だ。1995年にビル・ゲイツが首位に立つまでの間は、堤義明と森泰吉郎という2人の日本の不動産王たちがトップを争っていた。
その後、2017年までの間は、ウォーレン・バフェットが首位に立った年(2008年)と、メキシコのカルロス・スリム・ヘルが首位に立った年(2010年から2013年)を除いて、ゲイツが1位だった (ZARAの創業者であるスペインの富豪、アマンシオ・オルテガも、2015年に数時間、2016年に2日間トップに立っていた)。
しかし、長年トップに立ってきたゲイツは2018年以降、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団への株式贈与や、元妻のメリンダ・ゲイツへの少なくとも50億ドル相当の株式の譲渡、さらにはベゾス、アルノー、マスクの3人の急伸によってトップ3から外れている。
ゲイツが860億ドルの保有資産で世界のトップに立った2017年初頭以降、ベゾスはアマゾン株の急騰で1100億ドル以上の資産を増やし、アルノーはLVMH株の225%の上昇で資産を4倍以上に増やした。さらに、マスクはテスラを時価総額で世界トップの自動車メーカーに押し上げたことで、4年間で1500億ドル以上の資産を増やし、史上最も速いペースで世界の富豪ランキングを駆け上がってきた。