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Asia

Getty Images

中国の深圳に拠点を置くAI(人工知能)関連のスタートアップ「SmartMore(思謀科技)」は、今年6月のシリーズBラウンドで2億ドル(約220億円)を調達し、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。将来の上場を視野に入れる同社は、シンガポールに進出し、東南アジア全域に事業を広げようとしている。

6月のラウンドには、既存出資元のセコイア・キャピタル・チャイナやレノボキャピタル、ZhenFundなどが出資した。また、IDGキャピタルやCoStoneキャピタル、Green Pine Capital Partnersらも参加した。

「当社は新たな調達資金で、研究開発への投資を増やし、インテリジェントな製造ソリューションの大規模な導入を推進していく」と、今年のフォーブスの「30アンダー30アジア」に選出された同社のプロダクト部門の責任者のLi Ruiyuは話した。

2019年設立のSmartMoreは、コンピュータビジョンを製造業のスマートマニュファクチャリング分野で活用している。同社のソリューションは、製造ラインでの検品プロセスなどで活用され、自動車や半導体メーカの生産効率を高めている。SmartMoreの顧客には、消費財メーカーのユニリーバやP&G、エアバス、ドイツの自動車部品メーカーのコンチネンタル、日本のキヤノンなどが含まれている。

さらに、同社のビデオエンハンスメント技術は、エンターテインメントやモバイルゲーム業界でも活用され、香港のMedia Asiaはテレビ番組やミュージックビデオの古い映像を復元する際に用いている。

調査会社のDeloitは、中国の製造分野でのAIの市場規模が、今年の3億6500万ドルから2025年には20億ドルに拡大すると予測している。

センスタイムは香港でIPOの見通し


SmartMoreは、深圳以外にも北京や重慶、杭州、上海、蘇州、香港にもオフィスを構えており、昨年11月には最初の海外市場である日本の東京に拠点を開設した。

そして今月、SmartMoreは東南アジア地域での展開の一環として、シンガポールに進出すると発表した。シンガポール政府のSmart Nation and Digital Government Officeは2019年に、シンガポールをAI関連の世界的なハブに育てると宣言していた。

同社は、株式公開も計画中だが、Liによるとまだ正確なスケジュールは決まっていないという。ロイターの8月19日の報道によると、中国最大のAI企業のひとつであるセンスタイム(SenseTime)は、今月末に香港でIPO申請を行う予定という。

SmartMoreは、同社の会長で、香港中文大学のコンピュータサイエンスとエンジニアリングの教授のJia Jiayaらによって設立された。CEOのShen Xiaoyongや、CTOのLu Jiangbo、技術責任者のLiu Shuらは全員、Jiaya教授のもとで博士号を取得し、テンセントに勤務した後にSmartMoreを共同で設立した。

編集=上田裕資

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