フェイスブックは19日、VRヘッドセットのOculus Quest 2のオーナー向けの無料アプリ「ホライゾン・ワークルーム(Horizon Workrooms)」を発表した。
ワークルームは同社が推進するコラボレーション体験を代表するツールであり、「物理的な距離に関係なく最大16人がVR(仮想現実)空間の中で一緒に過ごすことができる」とフェイスブックは声明で述べた。
このアプリは、ビデオ通話のユーザーを含めると最大50人が同時に利用可能で、ヘッドセットを装着して会議に参加する従業員たちを、カスタマイズ可能なアニメのアバターとして表現する。彼らは、VR空間の中で、実際に会っているかのように会話を行い、バーチャルホワイトボードを用いてアイデアを共有できる。
ザッカーバーグは、バーチャルで開催されたブリーフィングの中で、「私たちは、共同作業をしたりブレストを行う場合に、以前のように物理的に一緒にいる必要がなくなった」と述べた。さらに、「現状のビデオ会議はかなり進歩したが、パンデミックが終わって人々がオフィスに戻ったときに、会議がビデオで行われるようになることには、あまり期待していない」と付け加えた。
「フェイスブック・リアリティ・ラボ」の副社長のアンドリュー・ボスワース(Andrew Bosworth)によると、同社は約1年前からワークルームを使って社内の会議を行っており、このテクノロジーの素晴らしさを実感しているという。
ワークルームは、メタバース企業を目指すフェイスブックの広範な取り組みの一部だ。メタバースという用語は、バーチャルでインタラクティブなデジタル空間を意味する言葉で、SF作家のニール・スティーヴンスンが1992年の作品「スノウ・クラッシュ」で描いたコンセプトがそのルーツとなっている。
フェイスブックは、以前からこのコンセプトを具体化するテクノロジーに多額の投資を行ってきたが、ワークルームを通じて、メタバースをゲームのようなニッチな分野ではなく、メインストリームの存在に押し上げようとしている。同社のほかにも、デジタル空間の新たな可能性に関心を寄せる企業は多く、ポケモンGOなどのARゲームや、フォートナイトやRobloxなどの人気が、メタバースのポテンシャルの高さを示している。