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2021.08.20 11:30

フェイスブックの「VR会議アプリ」が示すコロナ後の世界の働き方

Justin Sullivan/Getty Images

Justin Sullivan/Getty Images

パンデミックを受けて人々の働き方が変化する中で、フェイスブックは8月19日、新たなバーチャルリアリティアプリを発表し、オフィスから離れて働く人のコラボレーションを促進する取り組みを開始した。マーク・ザッカーバーグは、フェイスブックを「メタバース」企業に変化させ、デジタル空間を具現化しインタラクティブにするという目標を掲げている。

フェイスブックは19日、VRヘッドセットのOculus Quest 2のオーナー向けの無料アプリ「ホライゾン・ワークルーム(Horizon Workrooms)」を発表した。

ワークルームは同社が推進するコラボレーション体験を代表するツールであり、「物理的な距離に関係なく最大16人がVR(仮想現実)空間の中で一緒に過ごすことができる」とフェイスブックは声明で述べた。

このアプリは、ビデオ通話のユーザーを含めると最大50人が同時に利用可能で、ヘッドセットを装着して会議に参加する従業員たちを、カスタマイズ可能なアニメのアバターとして表現する。彼らは、VR空間の中で、実際に会っているかのように会話を行い、バーチャルホワイトボードを用いてアイデアを共有できる。

ザッカーバーグは、バーチャルで開催されたブリーフィングの中で、「私たちは、共同作業をしたりブレストを行う場合に、以前のように物理的に一緒にいる必要がなくなった」と述べた。さらに、「現状のビデオ会議はかなり進歩したが、パンデミックが終わって人々がオフィスに戻ったときに、会議がビデオで行われるようになることには、あまり期待していない」と付け加えた。

「フェイスブック・リアリティ・ラボ」の副社長のアンドリュー・ボスワース(Andrew Bosworth)によると、同社は約1年前からワークルームを使って社内の会議を行っており、このテクノロジーの素晴らしさを実感しているという。

ワークルームは、メタバース企業を目指すフェイスブックの広範な取り組みの一部だ。メタバースという用語は、バーチャルでインタラクティブなデジタル空間を意味する言葉で、SF作家のニール・スティーヴンスンが1992年の作品「スノウ・クラッシュ」で描いたコンセプトがそのルーツとなっている。

フェイスブックは、以前からこのコンセプトを具体化するテクノロジーに多額の投資を行ってきたが、ワークルームを通じて、メタバースをゲームのようなニッチな分野ではなく、メインストリームの存在に押し上げようとしている。同社のほかにも、デジタル空間の新たな可能性に関心を寄せる企業は多く、ポケモンGOなどのARゲームや、フォートナイトやRobloxなどの人気が、メタバースのポテンシャルの高さを示している。

編集=上田裕資

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