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VCのインサイト


また、単純にアプリ配布チャネルとしても、Zoomの成長に「便乗」しようと考えているスタートアップにとっては特に大きな利点になり得ます。

Marketplaceを使えば、何千万人もの潜在的な新規顧客にアプリを見つけてもらい、提供できる機会が無料で得られます。

しかも、現時点で登録されているアプリ数は1200個程度と、Zoomの総ユーザー数と比べるとまだごくわずかです。一方で、AppleのApp StoreやGoogle Playストアではそれぞれ数百万ものアプリが競い合っています。つまり、Zoomのプラットフォームを使っていち早くプロダクトを展開することができれば、競争がないことから大きな成長を獲得できるチャンスがあるということです。

実際、すでに多くのスタートアップがSDKやMarketplace、もしくは両方を活用して事業を展開しています。

例えば、Classというアプリでは、Zoomの機能を利用して本当に教室の中にいるような授業体験を再現しています。教師はこのアプリを使うことで出席を取り、宿題を出し、小テストを実施し、採点や個人面談をしたりできるのです。

また、Docketというミーティング特化型のワークスペースアプリでは、アジェンダの作成や決定事項の記録、アクションアイテムのトラッキングなどを共同で行うことができます。

Lumaというクリエイター向けのショップアプリは、Zoomを使ってイベントの企画と開催を行い、イベントやニュースレター、コミュニティなどにそれぞれ適した分析ツールを用いて参加者の管理もできるというワンストップ・ソリューションを提供しています。

コロナ禍により、Zoomは私たちにとって仕事でもプライベートでも欠かせないツールになりました。Zoomのおかげで世界中の何億人もの人たちが今でも繋がっていられることを考えると、もはや社会のライフラインの1つだと言っていいかもしれません。

そしてこのままZoomのインフラや配布チャネルがますます一般に開放されるようになれば、その波に乗った企業の中から、大企業に成長するところが出てくる可能性があるでしょう。

App Storeの草創期に最初に成功を収めたプレイヤーも、WhatsAppやInstagramなど、今では誰もが知るアプリばかりです。Zoomがもたらすであろうこの新しい「プラットフォームの変曲点」では、今後どのようなプレイヤーが生まれ、勝ち抜いていくのか、今後の展開が楽しみです。

連載:VCのインサイト
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文=James Riney

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