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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

さまざまな問題があったものの、東京2020オリンピックは開会式から閉会式までの競技運営はスムーズに行われ、金メダルの数も米国(39個)、中国(38個)に次いで日本は3位(27個)と健闘した。

前回のリオデジャネイロ大会では金メダル獲得数は12個で、国別ランキングは6位だった。前々回のロンドンでは、金メダルは7個で11位だった。今回は多くのアスリートが期待通り、あるいはそれ以上の活躍をしたと言える。

メダルを獲得した日本人選手の多くが、オリンピックを開催してくれたことに感謝の言葉を口にしていたのも印象的だった。

数カ月前からの、事前の各種世論調査では、オリンピックの無観客開催支持と、オリンピック中止が、ほぼ拮抗していた。中止派の人たちは、オリンピック関係者が海外から新型コロナ(特にデルタ株)を持ち込んで国内に感染を広げるのではないか、医療資源がオリンピックのために振り向けられて、市中のコロナ対策が手薄になるのではないか、という2点を挙げていた。結果的には、これまでのところ、心配されたことが起きていたとは言えない。

皮肉なことに、オリンピックの開会1カ月前から、デルタ株による国内感染者が、東京だけでなく全国的に急増した。オリンピックとは関係のない理由で新型コロナ感染の第5波が起きてきた。

選手のコロナ感染は、外国人選手の30人弱に限られたし、大会関係者の感染はスタッフ、日本人の委託業者の間で一定数発生したが、これによって医療資源がひっ迫したという報告はない。水際対策も、選手や関係者を一般市民から隔離する「バブル方式」を採用していたために海外から新規感染が大量に持ち込まれた、という状況ではない。

中止派が心配していた大会関係者から市中への感染の脅威よりも、むしろ、第5波が進行中の東京の市中感染が、大会関係者のバブル内の人たちにとって脅威になっていたかもしれない。

オリンピック自体は、新型コロナのパンデミックの中の開催という困難な状況のなかでは、成功だったと言える。ただし、オリンピック開催に至る過程では、いろいろな問題も明らかになったし、新型コロナ感染の拡大が抑えられているわけではない。

文=伊藤隆敏

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