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オリンピックの東京招致が決定したのが、2013年9月だった。「お・も・て・な・し」を約束した。

ところが国立競技場のデザインは、国際コンペで故ザハ・ハディド氏の斬新な案に決定しておきながら、予算高騰を理由に、15年7月に白紙撤回した。これが最初のつまずきだった。

次に、同年9月にエンブレムのデザインが盗作疑惑から白紙撤回。20年3月には、新型コロナ感染の危惧から、開催を1年延期することが決定された。21年に入ると、2月には組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言などで辞任。同年7月には、一部地域を除く無観客開催が決定された。

18年7月に開会式・閉会式演出の総合統括に任命されていた野村萬斎氏のチーム(椎名林檎氏、MIKIKO氏など当初8人のちに7人)が20年12月に解散して、新しいチームが結成された。その後結成されたチームからは、女性タレントへの侮辱発言をした人が辞任、過去に障がい者いじめを自慢していた人が辞任、最後は開会式前日に、ナチス・ドイツをネタにしていたことが発覚した人が解任されるなどの問題が続いた。

こうした問題がなぜ起きたのかを、いまこそ検証すべきである。開会式・閉会式を野村萬斎チームがそのまま担当していたら、どのようなものになっていたのか、タラレバだが、惜しまれる。

オリンピックが終わり、パラリンピックが開会するまでの間に、新型コロナの感染拡大を抑えることが重要だ。これまでのような「自粛要請」では、慣れもあり人出の抑制につながっていない。他人が出歩いているなら、自分も出歩いてよいだろう、あるいは、自分だけは大丈夫、という過信も発生している。

政府がもう少し強い指示(例えば、飲食店の休業命令や都市封鎖)を出すべきではないか。医療崩壊の前に政府は、新たな手段を考えるべきだ。そうしないと、パラリンピックの開催が危うくなる。(8月8日記)


伊藤隆敏◎コロンビア大学教授・政策研究大学院大学客員教授。一橋大学経済学部卒業、ハーバード大学経済学博士(Ph.D取得)。1991年一橋大学教授、2002~14年東京大学教授。近著に『Managing CurrencyRisk』(共著、2019年度・第62回日経・経済図書文化賞受賞)、『The Japanese Economy』(2ndEdition、共著)。

文=伊藤隆敏

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