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2021.08.22

NFTで「ロックの殿堂」を受賞した米国のバンドKings of Leonの偉業

Kings of Leon(Duane Prokop/Getty Images)

人気ロックバンドのキングス・オブ・レオンは、活動開始から約20年を経て、昨年4月にロックの殿堂入りを果たした。しかし、オハイオ州クリーブランドにあるロックの殿堂博物館に飾られているのは、彼らのアルバム「When you see yourself」のNFT版だ。

キングス・オブ・レオンは、「NFT Yourself」という作品をNFTオークションに出品し、220万ドル(約2億4000万円)の売り上げを達成した。この作品には、メンバーが撮影した写真や限定版のレコードが含まれており、生涯を通じて彼らのライブを最前列で楽しめる「ゴールデン・チケット」などの特典も付いている。

3人の兄弟と1人のいとこで構成されるテネシー州ナッシュビル出身のバンドであるキングス・オブ・レオンは、2008年のピーク時のマルチプラチナム・アルバム「Only by the Night」で推定1000万ドルの収益を上げており、今回のNFTの売上は、それに比べればやや物足りない数字かもしれない。

しかし、「レコード契約は、ある意味で価値を失った」と、キングス・オブ・レオンの42歳のドラマーのネイサン・フォロウィルは話す。「今では、子供がGarageBandで音源を作ってTikTokで配信することが可能で、レコード業界に頼る必要がなくなった」と彼は言う。

多くの人がNFTを知っているのは、今年春のデジタルアートのオークションが話題になったからだ。3月に、ビープル(Beeple)という名前のアーティストが5000枚のJPEG画像をコラージュしたNFTアートをクリスティーズに出品し、6490万ドル(約75億円)という驚異的な金額で落札され、世界的な話題となった。

他のミュージシャンもNFTを活用している。スターDJの「3LAU」ことジャスティン・ブラウは、昨年秋にNFTの発行を開始して以来、2000万ドル(約20億円)の売り上げを記録した。彼は、シュルレアリズムのアーティストMike Parisella(通称SlimeSunday)とチームを組み、最新アルバム「Ultraviolet」のNFTを33枚限定で販売した。

ビリー・アイリッシュとも交渉中


リアーナやケイティ・ペリー、アリアナ・グランデなどのアーティストと仕事をしてきた30歳のブラウのチームは現在、クリスティーズで開催される初のブロックチェーン音楽オークションに向けてビリー・アイリッシュやマドンナ、メタリカと交渉を進めているという。
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編集=上田裕資

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