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「地元にこだわった素材を扱うお店が多く集った」と立花氏は振り返る。

「産直市場のマルシェ ヴィソンでは、ナショナルチェーンのお店は導入していません。三重という地域を意識した店舗が中心です。例えば、松阪牛の『若竹』は、多気町で松阪牛を飼育する竹内牧場の直営精肉店です。一頭一頭大切に育てている牛の生産者ではありますが、今回は精肉店としても出店しています。

三重県で唯一の底引き網漁船・甚昇丸で水揚げされた深海魚の販売・料理を提供するのが『第十八甚昇丸』。これまで、水揚げされた海産物は、三重の市場で安値で買い取られ、東京・名古屋などで高値で販売されていました。ですが、今回、甚昇丸で仲買人の権利を取得し、三重の市場で自ら買い取りができるようになりました。地元で獲れた魚を地元で販売できるようになったんです。また、マルシェで売れ残った魚や野菜市場で余った食材は、施設内で再利用。食品ロス0の取り組みを行っています」

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スペシャルティコーヒー専門店である猿田彦珈琲のカフェや山形のレストラン、アル・ケッチァーノの奥田政行氏が監修した農園レストラン、関西屈指の品揃えを誇るアウトドアショップのOrangeと、個性あふれる店舗も揃っている。1日でまわりきれないため、やはり宿泊施設は必要だ。

ハイブリッドな「スーパーシティ特区」


VISONは、こういった著名店舗を集めるだけでは止まらない。多気町をはじめとした、大台町、明和町、度会町、大紀町、紀北町と連携することで、地域課題を解決するためのスーパーシティ特区としての役割も担っている。

VISONそのものがグリーンフィールド・ブラウンフィールドのハイブリッドな形となり、施設内での自動運転、モビリティ、自律式ドローン、遠隔医療クリニック、キャッシュレス・地域通貨といった先端的サービスが導入される。



また、これらを一つのIDで管理する「One-ID」データ連携基盤を活用。地域住民や観光客がこのIDを使って、各種サービスを体験できるのだ。また、そのノウハウは、連携する6市町に展開され、地域住民の利便性の向上や地域活性化につなげる。

「One-IDは様々な可能性を秘めています。町民がお風呂を割安で活用できたり、健康データの蓄積にも活かせます。町民の健康維持や病気の早期発見は、とても重要なこと。今回、ヴィソンに入ったMRT社では、約7万人のドクターが登録され、遠隔医療サービスを提供しています。ワンボックスカー内に遠隔医療ができる設備を導入し、病院に来られない方々の家に訪問して医療を提供することもできます。

また、今後は、海外の方も多くいらっしゃるかと思いますので、海外の医療機関と連携し、海外の先生がオンライン診療できるような環境も構築できればと思います」(立花)

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現在は実証実験中ではあるが、自律走行する移動式ゴミ箱を周回させることも視野に入っている。また、1人乗りのパーソナルモビリティー「GOGO!」は、アプリをダウンロードしてQRコードをかざせば走り出す仕組みだ(要普通免許)。

文=上沼祐樹 編集=石井節子

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