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I've won several journalism awards, and my writing on travel has appeared in The Los Angeles Times,

リチャード・ブランソン(David Orrell/CNBC/NBCU Photo Bank/NBCUniversal via Getty Images)

リチャード・ブランソンは、強力なレジリエンス(回復力)の持ち主だ。ブランソンのヴァージン・グループは昨年、新型コロナウイルスの流行により事業の大半が危機的状況に置かれた。しかしブランソンは今年、ジェフ・ベゾスの先を越して宇宙旅行を実施したのに続き、ヴァージン・アトランティック航空を破産の危機から新規株式公開(IPO)へと導くかもしれない。

ブランソンの肝いり事業の一つであるヴァージン・アトランティック航空は、主要航路が米国・ロンドン間だったため、新型ウイルス流行により大打撃を受けた。利益性が高い大西洋横断便の大半が運航停止となった同社は、航空機のリースや返済不能となった債務の再交渉を試みたほか、英政府に対し、5億ポンド(約760億円)の融資と助成金を申請。ブランソンは、個人で所有する英バージン諸島のネッカー島を担保に差し出すまでに至った。

同社は昨年8月4日、米国連邦破産法第15章に基づく破産申請も行った。最終的にはこうした取り組みが功を奏し、170に上る債権者らの圧倒的大多数が、英国で12億ポンド(約1800億円)の救済案に合意した。

それから1年たった今、明るい日々が戻ってきているようだ。ヴァージン・アトランティック航空は現在、アトランタやボストン、ニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ発ヒースロー行きなどの国際線を運航している。ニューヨーク・ロンドン便の予約は今月、150%増えたという。

国際線の需要回復が見込まれる今、同社はIPOの好機を迎えているのだろうか?

スカイニューズの報道によると、同社はロンドン株式市場への上場を機関投資家らに提案している。同社のIPOにより、ブランソンの保有株式は50%を下回る可能性があるものの、現金の注入は同社復活の助けとなるだろう。今秋ともされる上場を率いる機関としてシティバンクとバークレイズに声がかかったともされており、同社のIPOは現実味が増している。

ブランソンの宇宙開発企業ヴァージン・ギャラクティックは2019年10月28日に既に上場しており、2004年の創業当初から有料の宇宙旅行を一度も実施していないのにもかかわらず、株価は上場時から上昇している。

スカイニューズは、ヴァージン・ギャラクティック株の上昇により、ブランソンは「苦境にあえぐレジャー・旅行事業の支援のため数億ポンド(数百億円)を集めることができた」と指摘している。例えば、グループ傘下のクルーズ船企業ヴァージン・ボヤージズは今月、1年の遅れを経て初のクルーズ船運航を開始した。

編集=遠藤宗生

ヴァージン・グループ

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