メタバースを民主化するイスラエル企業「TetaVi」が描く未来

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ここ最近、インターネット上の仮想世界を意味するメタバースという用語がバズワードになったが、コンピュータビジョンを手掛ける「TetaVi」のCEOを務めるジラド・タルモン(Gilad Talmon)は、自身がメタバース企業の経営者になるとは想像もしていなかったという。彼は、イスラエルの防衛関連のスタートアップに務めていた2018年に、高校時代の友人らと20年来続けているボードゲームのイベントに参加した。

その時、常連メンバーでTetaVi創業者のMicha Birnboimから開発中のテクノロジーを見に来るよう誘われたという。そのテクノロジーは、コンピュータビジョンに特化したAI(人工知能)を使い、高い没入感を実現したメタバース用3Dコンテンツを従来より早く、簡単に制作するというものだった。Talmonはそれを見てすぐに興味を持ち、会社を辞めてTetaViに参画した。

イスラエル企業であるTetaViは、2016年に連続起業家のBirnboimとMiky Tamir博士によって設立された。2人は、世界がより没入感の高いバーチャルな体験を求めていると考えた。その実現のためには3Dアバターのモーションが重要になるが、バーチャル空間でそのようなコンテンツを生成する技術はコストが非常に高く、制約も多かった。

「コンテンツはますますイマーシブ(没入的)になっているが、制作するのは難しい。だからこそ、我々のビジネスにチャンスがある」とタルモンは話す。TetaViは先日、Insight Partnersが主導し、OurCrowdやNimble Venturesが参加したシリーズAラウンドで2000万ドル(約22億円)を調達した。

同社は、これまでに累計で3500万ドルを調達しており、米国でのプレゼンスを高めるため、事務所をニューヨークに、スタジオをロサンゼルスに開設した。今後は、ビジネスマネジメントとマーケティングのチームを米国に移す予定だという。
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編集=上田裕資

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