米コロナ感染者、30代の入院者数が過去最多を更新

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30代にとっては、良くないニュースだ。米疾病対策センター(CDC)が公表する新型コロナウイルス感染者に関するデータを見ても、この世代(30〜39歳)の状況は、明らかに望ましくない方向に進んでいる。

人口10万人あたりの入院者数は6月29日以降、急激に増加。グラフで見る数値の変化は、一時の暗号資産(仮想通貨)ドージコインの価格の暴騰を思い出させるようだ。

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今年6月29日には0.45人だった人口10万人あたりの30〜39歳の入院者数は、8月10日には同 2.48人に跳ね上がっており、さらに翌11日には、同2.52人に増えた。8月初めから11日までの入院者数は、合計およそ17万1000人だ。CDCのデータからは、7~8月には未成年の入院者数が急増していたことも分かる。

これらは、この春に進められた行動制限の緩和が、時期尚早だったことを示している。緩和措置を受け、多くの人がマスクの着用をやめ、ソーシャルディスタンスを取ることをやめていた。


イリノイ州シカゴで開催されたロックフェスティバル「ロラパルーザ」(7月31日撮影、Getty Images)

だが、新型コロナウイルスはその間も、引き続き感染を拡大し、感染者を増やし続けた。そして今、米国は感染力を強めた変異株の「デルタ株」に支配されている。このデルタ株が、若い感染者が急速に増え始めた一因だ。

「高齢者の病気」ではない


新型コロナウイルスのパンデミックが始まった当初、感染者の大半は高齢者だった。これが意味するのは、現在このウイルスの影響をより受けやすくなっているのは、より若い年齢層の人たちになるということだ。

ワクチンの接種率も、恐らく影響を及ぼしているだろう。CDCのデータによると、8月15日の時点で接種を完了していた人の割合は、20〜39歳は半数未満(49.9%)にとどまっている。

一方、40代は59.1%、50〜64歳は68.4%、65〜74歳は82.6%、75歳以上は78.3%だ。つまり、感染、そして重症化のリスクがある人が多いのは、30代以下ということになる。
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編集=木内涼子

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