「モンスター・ホテル」の3部作はこれまで、合計2億3千万ドルの予算で13億ドルの興行収入を世界で稼ぎ出していた。しかし、12歳以下には新型コロナウイルスワクチンの接種が認可されていない中で、感染力の強いデルタ株が蔓延していることで、子供向けの映画はさらに深刻な打撃を受けると予測されている。
ソニーは「モンスター・ホテル4」に、推定7500万ドルの製作費を投じたとされており、劇場公開が中止になった場合、多大な利益が失われることは確実だ。Varietyによると、ソニーはこの作品の配信権をアマゾンに売却した後も、DVDやブルーレイなどのホームエンタテインメントの権利やテレビでの放映権、中国での上映権を維持するという。
ソニーは、米国の大手映画会社のなかで唯一、独自の配信サービスを手掛けておらず、今年4月には、ネットフリックスと米国で映画の配信契約を結び、2022年から劇場公開後の作品をネットフリックス独占で配信すると述べていた。同社は、ストリーミング戦争に直接参加するのではなく、一歩引いて、サードパーティに作品を販売することで収益をあげようとしていた。
ソニーはここ最近、ロマンス映画の「ハピエスト・ホリデー」やケビン・ハートの「ファザーフッド」、トム・ハンクスの「グレイハウンド」などの劇場でヒットしたはずの作品をストリーミングに送り込んでいた。
「モンスター・ホテル4」も、パンデミック以前の世界では、確実に劇場でのヒットが見込める作品だった。1億ドルでこの作品の配信権を入手したアマゾンは、かなりお得な買い物が出来たのかもしれない。