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2021.08.17 08:30

米国で増加する「多職者(ポリワーカー)」、その原動力は


「ポリワーカー」サイトのユーザーのひとりであるリチャード・ファーン(Richard Fearn)は現在、ミュージカルの制作、テクノロジー分野の投資管理、非営利企業の運営に携わっている。

ファーンは、「ポリワーカー」サイトに最近掲載されたニュースレターのなかで、さまざまな職からなる自分のキャリアについて、「情熱を傾ける対象が複数あり、それがおのずと多様な収入源になった」ことの結果だと説明している。そして、「現代の仕事に関する考え方と柔軟なテクノロジーのおかげで、私たちの世代は、これまでは絶対に不可能だったやり方で、多くのことをこなせるようになっている」と述べている。

一方で、ポリワークの危険性は、仕事がもはや情熱に根ざしたものではなくなり、格闘のように感じられるようになったときに生じる。複数の仕事を切り回すことに、喜びよりも苦難を感じるようになったとき。自分の望みよりも、必要性に駆られるようになったとき。そのタイミングを、ポリワーカーは注意して見極める必要がある。

大学卒業後の債務返済負担に関して「ウォール・ストリート・ジャーナル」に最近掲載された記事では、美術学修士号を取得したある大卒者が、36万ドルの借金を抱えてコロンビア大学を卒業した後のことが紹介されている。それによれば、映画監督になる夢を追いつつも、コミュニティカレッジでの教職や、アンティークショップの経営も同時にこなす以外に選択肢はなかったという。

「貧しい家庭に育ち、高校をドロップアウトした私にとって、アイビーリーグでの修士号取得は心惹かれるものだった」と彼は認めている。次世代の才能を引きつけたいと願う雇用主は、最初から、幅広いタスクと責任を与えることを検討するべきだろう。

リモートワーカーの多くは孤立感に悩まされている。柔軟さ、お金、好奇心のニーズが満たされていたとしても、だ。ポリワークが、単なる最新の流行語以上のものになるかもしれない理由は、そこにある。というのもポリワークは、同じ志を持つ人たちとのつながりをつくるものでもあるからだ。18カ月にわたる孤立を経た私たちの多くは、「安定した給料」より「コミュニティ」を、はるかに強く切望しているのだ。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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