米国で増加する「多職者(ポリワーカー)」、その原動力は

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だが、キャリアサイト「モンスター」が、最初のロックダウンから18カ月後に実施した最新調査によれば、働く人の95%が新しい職を探そうと考えている。別の業界に移って新しい職を見つけることを検討している人も92%にのぼっている。

働く人の多くは、辞表の提出を考えている理由として、リモートワークからオフィス勤務への唐突な移行を挙げている。だが、退職したい理由としてもっとも多かったのは、バーンアウト(燃え尽き症候群)だった。

このことが示唆するのは、在宅勤務には実際のところ、ワークライフバランスの悪さの影響を受けやすくなるという面があることだ。その理由は、リモートワーカーが無意識のうちに仕事と家庭の境目を曖昧にしてしまうことや、仕事の時間をどこまでも伸ばしていき、就業日が永遠に終わらないような状態になってしまうことにある。

新しい働き方


そこで、ポリワークという働き方が注目を浴びることになる。クロストレーニングをする人が複数の運動を組み合わせることで「使いすぎ症候群」を予防しているように、ポリワーカーも、さまざまなキャリアを「つまみ食い」する。

ライターが製品のベータテストをしてもいいし、ソフトウェアアナリストがパートタイムの映画制作者になってもいい。ポリワークをすれば、自分の興味の対象を探ることができる。ひとつのビジネスのさまざまな側面を構成するさまざまな仕事を体験することによって、自分のスキルセットを強化することができる。

毎日ランニングをすると、体にダメージが出るかもしれないのと同じように、毎日まったく同じタスクをこなしていると、心にダメージが出る可能性がある。

ポリワークの核心は、複数の職を兼ねることよりも、むしろ自分自身がボスになり、複数のクライアントにサービスを提供できることにある。大部分のミレニアル世代の全般的な考え方にたがわず、ポリワーカーも、レッテルや仕事の肩書を避ける傾向がある。

あらゆるニッチの例に漏れず、この分野にもウェブサイトがある。350万ドルの投資に支えられたソーシャルネットワーク「ポリワーク」には、アニメーションつきのカラフルなトップページと、メンバー候補のための「順番待ちリスト」がある。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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