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2021.08.17

米国市場のバリュエーションが高騰、バブル崩壊の懸念は

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将来のリターン


究極的には、リターンは数学に基づく。利益を拡大して配当に回すか、あるいはバリュエーション水準を変えるかだ。株式市場のリターンを決める要因は、実はこれだけなのだ。

一般的に利益成長率については、長期的なデータがある。一桁後半という利益成長率は、先進国経済では標準的だ。

残るはバリュエーションだが、これには大きな変動が珍しくない。大きな落とし穴もある。長期的に見ると、高騰している市場の価値が急落することがあり、逆もまた然りだ。下落のタイミングは不明とはいえ、米国にとっては懸念材料だ。

国際的な分散投資


国際的に分散投資することは、たとえバリュエーションに差がなかったとしても、賢明なアイディアだ。ブラジルが低調な年に、メキシコは好調かもしれない。資産を、さまざまな国という「バスケット」にしまっておくことは、リスク管理に役立つ。

加えて、米国のバリュエーション水準が過剰に高まっているように思える現状を考えれば、海外に目を向けるのは堅実な手だろう。数年先になるかもしれないが、米国市場の高騰したバリュエーションが、1990年代初頭の日本で起こったように元に戻る可能性は、歴史的に見て否定できない。

米国経済はすばらしい成果をあげてきたが、投資家はグローバルな選択肢を考慮すべきだ。まずは、バリュエーションがそれほど高くない、大規模な先進国市場として、ヨーロッパと日本に目を向けるのがいいだろう。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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