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SHIFTの社長でCEOの丹下大(C)SHIFT

東京に本社を置くソフトウェアのテストや品質保証を手がける企業「SHIFT」の社長でCEOの丹下大は、同社の株価が過去1年間で88%も上昇したことにより、世界のビリオネアの仲間入りを果たした。

SHIFTの時価総額は8月13日時点で34億ドル(約3730億円)にまで上昇した。フォーブスは、同社の約3分の1を保有する丹下氏(46)の保有資産を11億ドルと試算している。

SHIFTは、M&Aを通じてエンジニアの数を増やした後、市場の支配力を高め、売上と利益の両方を伸ばしてきた。同社は、2005年の創業以来、ゲームソフトやスマートフォンアプリの開発会社から中古パソコンの販売会社まで、少なくとも23社を買収している。

SHIFTによると、今年5月時点での同社の正社員エンジニア数は3719人で、2020年末から41.5%増加している。ゲームや金融関連の企業にソフトウェアのテストサービスを提供する同社の顧客数は、2020年から29.3%増加し、433社となっている。

SHIFTの第3四半期累計(2020年9月~2021年5月)の連結決算は、売上高329億円(前年同期比約59%増)、最終利益19億 (同83.4%増)と大幅増収・増益を達成した。

丹下は、今から16年前に業務改善のコンサルティング会社としてSHIFTを立ち上げ、その3年後にソフトウェアのテスト業務に移行した。しかし、当時のソフトウェアテストは、外部のエキスパートではなく、開発者自身が行っていたため、当初は苦戦したという。

「ソフトウェアのテストのアウトソーシングは、業界の常識に反していたため、私たちの提案を受け入れてくれる企業は多くはなかった。しかし、当社は自分たちが実現しようとしていることの価値を信じて今日まで走ってきた」と、丹下は同社のウェブサイトで語っている。

2014年末に東京証券取引所に上場したSHIFTの株価は、それ以降に1400%以上の上昇となっている。

しかし、SHIFTのようなアウトソーシング企業は、5兆5000億円規模と言われるソフトウェアテスト市場全体のうち、約1%しか占めていないため、「巨大な成長のポテンシャル」を秘めていると同社の2019年の資料には記載されている。

SHIFTの顧客企業は、従来の半分のコストでソフトウェアの欠陥を検出できるという。同社はこれまでに100万件以上の欠陥を検出したとされる。

SHIFTを創業する前に丹下は、5年間、製造業向けコンサルティング会社のインクス(現SOLIZE)に勤務していた。もともとはロボットの会社を作りたいと考えていた丹下は、同志社大学と京都大学の大学院で機械工学を学んだ。

編集=上田裕資

起業家

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