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2021.08.16

出張でのプライベートジェット利用、米国で需要増大

Getty Images

プライベートジェット利用者の次の波は、短パンとスキューバダイビングの器具をまとった人ではなく、スーツにネクタイ姿の人々になりそうだ。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは、企業各社の最高経営責任者(CEO)らが社内の経費削減推進派を押し切り、幹部らに対してプライベートジェットを使った出張を推奨して受注を勝ち取るよう促していると報じた。米銀大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは同行員に対し、社有ジェット機を使って顧客を訪問するよう奨励しているという。

一方でプライベートジェット運航企業は、新規顧客や旅行の増加によって記録的水準に達している需要に対応しきれずにいるが、それでも法人顧客の需要に応えるべく準備を進めている。

会員サービスを提供する企業


そうした企業の一つが、シーラスSF50ビジョンジェット機を運航するベリジェット(VeriJet)だ。同社は昨年10月にフロリダ州で創業し、現在はカリフォルニア州に事業を拡大している。同社の創業者リチャード・ケーンは最近の発表で、同社の超軽量ジェット機保有数が来年初めまでに25機となる予定であることを明らかにした。

また、同社初の会員サービス「ジェットカード」の提供開始も発表。会員は必ず搭乗できるという保証はないが、片道料金は1時間当たり2500ドル(約28万円)に値引きされる。片道利用では回航便の料金を支払う必要がない。最高級コースの会員は、最短で出発のわずか2時間前までにジェット機利用を予約できる。

ビジョンジェット機は、より大型のプライベートジェット機の多くと比べて速度が遅く、トイレもないが、機内のレイアウト変更が容易で、大人4人、操縦士は1人か2人搭乗でき、小規模な空港を利用できるというメリットもある。手荷物として預けたり機内の荷物棚に入れたりできない特大の商品サンプルなどがある場合に最適だ。また、パイロットが操縦不能になった場合に乗客がボタンを押すだけで飛行機を着陸させられる革新的な安全システムも備わっている。
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編集=遠藤宗生

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