アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

Busakorn Pongparnit / Getty Images

メールの処理を高速化するアプリ「Superhuman」のCEOのラフル・ボラ(Rahul Vohra)は、元DropboxのCFOのAjay Vasheeが設立したベンチャーキャピタル、IVPとの面談に際して1つの条件を提示した。それは、大勢のパートナーに対してプレゼンテーションをしないというものだった。

起業家にとって、ベンチャーキャピタルのパートナーへのプレゼンテーションは通過儀礼だが、ボラは代わりに全てのパートナーと個別に面談することを希望した。

「私は控えめな英国人なので、米国人と違って役員室の机を叩きながら熱弁をふるうのが嫌いだ」とボラは話す。

ボラのプレゼンテーションは、通常より遥かに多くの時間を要したが、SuperhumanはIVPが主導したシリーズCラウンドで7500万ドル(約82億円)を調達した。このラウンドには、他にTiger GlobalやDiscordとDropboxのCEOなどが参加した。

事情に詳しい関係者によると、Superhumanの評価額は8億2500万ドル(約910億円)に達したという。

ボラは共同創業者のConrad IrwinとVivek SoderaとともにSuperhumanを開発し、45万人以上がウェイトリストに登録するサービスに育て上げた。同社は2014年の設立以来、正式版の製品をリリースしておらず、アプリはiOSのみに対応し、利用できるメールサービスはGmailに限られている。しかし、Superhumanを利用するためには月額30ドルを支払う必要がある。

Superhumanのキラー機能には、アルゴリズムによるスプリット(フィルターの一種)や、ショートカットで定型メッセージやテンプレートを使った返信が簡単に行える機能、Zoomへのリンクやカレンダー機能が含まれる。

フォーブスは、2020年に同社を「次世代スタートアップ企業(Next billion-dollar startups)」に選出した際に、ユーザー数を5万人以上と推測していた。ボラによると、ユーザーの58%が同社のアプリを1日当たり3時間以上利用しているという。

Superhumanは、2019年にアンドリーセン・ホロウィッツが主導したシリーズBラウンドで3300万ドルを調達していた。今回調達した資金は、アンドロイド版アプリの開発と、Outlookのユーザーにサービスを提供するために使用する予定という。

編集=上田裕資

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