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Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は8月号(6月25日発売)より、「アークティック ブルー ジン」をご紹介。口に含むと、ビルベリーの存在をしっかりとキャッチすることができる1本だ。


日本からいちばん近いヨーロッパはどこ?答えは、フィンランド。直行便で9時間半で行けるから、というのがその理由だそうだ。フィンランドといえば、オーロラ、ムーミン、サンタクロースなど少々ファンタジックな名物が浮かぶが、実際もそのイメージを遠く離れることがない。

例えば国土の7割超を森林が占めており、それはOECDに加盟している国のなかでは世界ナンバーワンとなる(2020年林野庁発表)。広大なタイガ(北方針葉樹林)には18万8000もの澄んだ湖が点在する森と湖の国…それがフィンランドだ。

そして、そのフィンランドの森と冷涼な大気をボトルの中に閉じ込めたような酒が「アークティック ブルー ジン」。2018年の世界スピリッツアワードでふたつの金賞を受賞したことを皮切りに、世界各国のコンペでアワードを獲得している、いま最も注目を浴びているジンである。

その味わいは、北極地方の雪解け水、そして凍土を割って生い茂るビルベリー(ブルーベリーの原種)をベースに、ビルベリーの葉、ジュニパーベリーなど、フィンランドで自生している森の恵みをふんだんに使用し、冷却ろ過をしていないためにボタニカル本来の香りや精油成分がそのままに残っているのが特徴。現在はアルコール度数46.2度の「アークティック ブルー ジン」と58.5度の「アークティック ブルー ジン ネイビー ストレングス」の2種で展開している。

「ネイビー ストレングスのほうが、ビルベリーの野性味がより強く感じられます。まずはストレートで味わっていただきたいジンです」と語るのは「Rouge Bar」チーフバーテンダーの上田善植だ。

ネイビー・ストレングスとは、かつて英国海軍が戦艦に酒を持ち込む際、誤って酒が火薬にこぼれても火薬が湿気らないほどアルコール度数の高いものを選んでいた、というエピソードに由縁をもつジンのこと。一般に強い酒ほど、風味は失われがちだが、この「アークティック ブルー ジン ネイビー ストレングス」は口に含むと、ビルベリーの存在をしっかりとキャッチすることができる稀有なジンでもある。

冷涼な大気をスウと胸いっぱいに吸い込んだような…フィンランドの過酷な冬と、太陽が沈まない夏の白夜のおかげで、その実にたっぷりの果汁をたたえているビルベリーの香気に目が覚める思いだ。これはほかの国ではつくれない、フィンランドならではの味わいと言えるだろう。

今宵の一杯はここで


Rouge Bar
ロブション氏のエスプリを継承するバー
真紅の壁と天井のサロンに濃紺のソファ。黒い鏡面仕上げのカウンターにはスワロフスキーのシャンデリアのきらめきが映る、グラマラスなバー。隣接のレストラン「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」はミシュランガイドブックの最高評価である三ツ星に14年間連続で選ばれ続けており、その食前や食後のひとときを過ごすのはもちろん、バーだけでの利用もおすすめ。


「ジンを食前に味わうなら『ネグローニ』もおすすめです」と上田善植氏。


ジンとも相性のよい、ソローニュ産キャビア50g 20000円

アークティック ブルー ジン ネイビー ストレングス



容量 / 500ml
度数 / 58.5%
価格 / 7400円(税込み参考小売価格)
問い合わせ / ルイR tel.03-6722-0454

Rouge Bar



住所 / 東京都目黒区三田1-13-1 恵比寿ガーデンプレイス内 シャトーレストラン ジョエル・ロブション2F Tel. 03-5449-0083
営業時間 / 火~土 17:30~LO翌日1:00、日・月17:30~LO23:00
定休 / 不定休

photographs by Yuki Kanno text and edit by Miyako Akiyama

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