ビジネス

2021.08.13

トヨタ出資の空飛ぶタクシーJOBYが上場、5年後に売上20億ドル目標

ジョビーの創業者でCEOのジョーベン・ビバート / Getty Images


10年後には200億ドルの収益


ジョビーとRTPは、2026年までに20億ドルの収益を上げて黒字化を達成し、10年後には20都市で1万4000機の航空機を飛ばして200億ドル(約2.2兆円)の収益を上げると投資家に語っている。

エアタクシー分野で、SPACとの合併で資金を調達した企業はジョビーだけではない。2月にAtlas Crest Investment Corp.と合併したユナイテッド航空の支援を受ける「アーチャー・アビエーション(Archer Aviation)」も2030年に120億ドルの収益を上げる目標を掲げている。

しかし、証券取引委員会がSPACの調査を進め、投資家の懐疑的な見方が高まる中で。Atlas Crestとアーチャーは先月、合併の「戦略的リセット」を発表し、合併後の会社の評価額を38%引き下げて17億ドルとした。Atlas Crestと、ドイツのエアタクシー企業リリウムとの合併に合意したQell Acquisition Corp.社の株価は、いずれもSPACの典型的な償還水準である1株10ドルを下回っている。

空飛ぶタクシーの実現を目指す企業はいずれも、規制当局からの承認という厳しいハードルにも直面している。連邦航空局(FAA)は安全性の審査に慎重であり、彼らがゴーサインを出すのは、エアタクシーの収益性の低下を招くような安全策を追加してからになる可能性がある。

また、都市の空で飛行機を飛ばしたり、人々が暮らす場所にバーティポート(垂直離着陸機用の離発着ターミナル)を建設したりすることが、一般の人々に受け入れられるかどうかという高い課題にも直面している。

しかし、ジョビーはすでに米空軍から耐空証明を取得しており、米空軍がeVTOL機を貨物輸送、医療避難、捜索救助に活用するための試験プログラムを通じて、今後数年間で確実に収益を上げ、貴重な実戦経験を積むことができる。Joby社は、このプログラムで4000万ドルを獲得しており、さらに1億ドルの契約の獲得を目指している。

ジョビーは先月、試作機を1回の充電で150マイル飛行させ、エネルギーを消費する垂直離着陸も含めて、航続距離の目標を達成したと発表した。ただし、試作機は乗客を乗せずに地上からの遠隔操作で操縦されていた。

また、ヘリコプターと比較して大幅な騒音の低減を実現したと同社は述べている。ジョビーが先月公開したビデオでは、100メートル上空を飛ぶ同社の機体の騒音が55デシベルであることが示された。これは、90デシベルのヘリコプターの1000倍の静音性だとされている。

編集=上田裕資

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