モデルナ株の10日の終値は450ドルを超えていたが、11日の取引終了時刻に、385.33ドルでまで下落した。同社の株価は、9日にバンク・オブ・アメリカのアナリスト、ジェフ・ミーチャムが厳しい見方を示したのを受けて2日間連続で下落した。
ミーチャムは、急伸したモデルナの株価が「ばかげた水準」で、「ファンダメンタルズの観点から正当化できない」とし、創業11年の新興企業の時価総額が、100年以上の歴史を持つ大手を上回っていると指摘した。
ミーチャムはモデルナの目標株価を、9日の終値から75%以上も下の115ドルに設定した。
ただし、モデルナの株価はここ2日間の下落を経ても、過去1カ月間で65%以上、昨年からは約450%の上昇となっている。
「我々は、mRNAテクノロジーについては肯定的だが、現在のモデルナの株価が、ファンダメンタルズの観点から正当化できないと考えている」と、ミーチャムは述べていた。
CDC(米国疾病対策センター)によると、モデルナは米国における新型コロナウイルスワクチンの大規模なサプライヤーであり、米国での投与回数は1億4千万回を超え、ファイザーとバイオンテック社製ワクチンの約2億回に次ぐ規模となっている。
しかし、米国でのワクチン接種回数は、ここ数週間でわずかに上昇したものの、春に比べると大幅に低下しており、バンク・オブ・アメリカの指摘によると、保健当局は依然としてブースターショット(3回目の接種)を推奨していない。
ファイザーとバイオンテックの2社の株価も11日に下落したが、下げ幅はモデルナを下回った。ファイザーの株価は3.9%の下落で、バイオンテックの株価は14%近い下落だった。