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『ブラック・ウィドウ』の公開も幾度にわたり延期された(Getty Images)

映画業界は、新型コロナウイルスの流行が始める前から変化を迎えていた。しかし、1年近くにわたり映画館が閉鎖され数百本の映画が延期されたことで、映画業界の未来はさらに不確かなものとなった。コロナ後の世界では、映画業界はどうなるのだろう?

長期的な遅延


映画製作はコロナ危機により大きな打撃を受けた。映画館や撮影所は数カ月間にわたり閉鎖され、米国の興行収入は2020年に約50億ドル(約5500億円)の損失を出した。2020年に劇場公開された映画の数は前年比66%減のわずか338本だった。2020年に製作が始まった映画の数は45%減の447本となった。


2020年、パンデミックにより閉鎖していたNYの映画館(Getty Images)

また、映画の公開も数百本延期された。ジェームズ・ボンド映画の新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は当初2020年4月の公開が予定されていたが、現在の公開予定は2021年10月になっている。『ブラック・ウィドウ』の公開も幾度にわたり延期され、当初の2020年5月から2021年7月になった。一部の作品が延期されることで、その後数年にわたる新作の公開影響が及ぶ。『ブラック・ウィドウ』の場合、同作の延期に伴い、ヒット作となるであろう多くのマーベル作品の公開が先送りされた。

現在進行中の作品が遅れることで、今後の映画製作予定も宙ぶらりんとなる。多くの映画製作会社は現在、積極的に新作を模索するのではなく、現在製作中だったり製作準備段階にあったりする作品に注力している。これにより、今後の新作公開スケジュールはまばらになるかもしれない。

映画館からストリーミングへ


映画館は長期的な休業により経営が困難になり、大小かかわらず多くの劇場が廃業した。米映画館チェーンのアラモ・ドラフトハウスは破産を申請。他の多くのチェーンや映画館の未来は不透明だ。1000カ所近くの映画館を抱える米AMCシアターズは今年、投資家から9億1700万ドル(約1000億円)を調達し、何とか破産を免れた。米リーガル・シネマズは、どうにかやりくりしている状態だ。

映画館が閉鎖され、多くの作品がストリーミングに移行した。ユニバーサル・ピクチャーズは、映画館のみで作品を上映する期間を90日から17日に短縮することで、AMCシアターズと合意。ワーナー・ブラザーズは、新作映画を劇場公開と同日に傘下のストリーミングサービス「HBOマックス」に配信するようになり、これは少なくとも今年末まで続く予定だ。ディズニープラスも同様のモデルを採用し、定額料金とは別に追加料金を支払うことで新作映画をストリーミングで視聴できるようにした。

編集=遠藤宗生

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