ビジネス

2021.08.15

時価総額12兆円の「スクエア」を支えるアマゾン出身女性幹部

アリッサ・ヘンリー(c) Square


eコマースで事業規模を拡大


パンデミックによってセラー事業は成長が鈍化したが、専門家は同社が多くの機能を提供することで打撃を和らげることができたと指摘する。ウェブドッシュのアナリスト、Moshe Katriによると、全世界でスクエアを導入しているマーチャントの約45%が、リアル店舗でのカードリーダー設置に加えてeコマースも展開しているという。スクエアはeコマースをさらに強化するため、オーストラリアの後払いサービス「Afterpay」を290億ドルで買収したことを8月1日に発表した。これにより、同社の相互接続したプロダクトスイートに新たなフィンテックサービスが加わった。

ヘンリーは、セラー事業とスクエアのモバイルバンキングサービス「Cash App」の統合が今後さらに進むと考えている。同社は、Cash Appを通じたロイヤルティリワードの換金やオンデマンドペイの支払いについては既に発表しており、Afterpayの買収によって統合はさらに強化されると見られている。

アナリストらは、ファイサーブの「Clover」をはじめとする競合の決済処理プロバイダーに対し、スクエアはソフトウェアスイートによって優位性を確保できていると指摘する。みずほリサーチのアナリスト、Dan Dolevは、事業者と消費者を繋ぐスクエアのエコシステムは、150年前のJPモルガンに類似していると指摘し、同社の株価が長期的に値上がりすると予想している。

「パーツを組み合わせたものが、個々のパーツがもたらす以上の効果を発揮できたときに魔法が起きる」とヘンリーは述べた。

編集=上田裕資

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