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アリッサ・ヘンリー(c) Square

ここ数年、小売店のレジで見かけることが増えたのが、決済企業スクエアの白い小型カードリーダーだ。同社のカードリーダーは、レストランや小売店だけでなく、農産物の直売所など、あらゆる店で活用されている。

サンフランシスコ本拠のスクエアは、販売事業者を「セラー」と呼ぶ。数百万ものセラーがスクエアを使って決済を行っており、同社の昨年の粗利益27億ドルのうち、15億ドルをセラーセグメントが占めていた。

2015年のIPO時に29億ドルだった同社の時価総額が1100億ドル(約12兆円)まで拡大した最大の要因は、このセラーセグメントの成長にある。

この成長を牽引しているのが、51歳のアリッサ・ヘンリー(Alyssa Henry)だ。ヘンリーはアマゾンの幹部を長年務めた後、IPO前の2014年にスクエアに参画した。彼女の推定資産額は5億5500万ドルで、フォーブスの「米国で最も裕福な叩き上げの女性富豪ランキング(America’s Richest Self-Made Women)」に今年初めて選出された。

ヘンリーは保険会社のプログラマーとしてキャリアをスタートし、マイクロソフトに在籍した10年間で順調に出世を重ねた。その後、アマゾンに7年間務め、最後の4年間はAWSのバイスプレジデントを務めた。彼女は2014年5月にインフラストラクチャーチームの責任者としてスクエアに参画し、6ヶ月後にはセラー部門の責任者に就任した。同社は当時、カードリーダー向けソフトウェアの構築に苦戦していた。彼女はスクエアの株式を報酬として受け取っており、現在は0.3%を保有している。

「我々はハードウェア企業として始まった。私は入社してからの7年間、スクエアをソフトウェアと金融サービスの企業へ転換させることに勤めてきた」とヘンリーは話す。彼女の現在の肩書はエグゼクティブ・バイスプレジデントで、スクエアの最高幹部の1人だ。

ヘンリーがセラー部門の責任者に就任して最初に取り組んだのは、アマゾン時代に培ったリテールとクラウドビジネスのフレームワークを導入することだった。彼女はアマゾン時代、同社のリテールソフトウェアを一枚岩のアプリケーションである「モノリシックアーキテクチャ」から「マイクロサービスアーキテクチャ」に変換することを支援した。

例えば、書籍販売事業と動画配信事業のコードを分けるといったように、単一のアプリケーションから相互接続した複数の小規模なアプリケーションに分割することで、新機能の開発やプロダクトのスケールアップをより効率的に行うことが可能になる。「コアなビジョンに対して、ソフトウェア開発が遅れていた」と彼女はアマゾンに入社したときの状況を振り返る。

編集=上田裕資

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