地元ニュースサイト「SFゲート」によると、画像を受信した乗客らが客室乗務員にそれを知らせると、機長はアナウンスで「機内に脅威」があると説明。乗客は機内から避難させられ、全員が再び保安検査を受けた。空港当局は機内の検査も実施。フライトはこれにより3時間遅れた。
地元ラジオ司会者クリストファー・ビールはツイッターへの投稿で、母親が同便に乗り合わせていたことを明かし、「誰かが数人の乗客に不適切な画像をエアドロップで送ったせいで、母のフライトは駐機場を離れられなかった。なぜこんなことをするんだ」と苦言を呈した。
この“犯人”は、同便に搭乗していた10代の少年で、使われた画像は「エアソフトガン」のものだった。エアソフトガンは本物の銃に酷似しているものの、殺傷力のないプラスチック製弾丸を発射するレプリカ銃だ。
警察はかねて、エアソフトガンが本物の銃と見間違われやすいことについて警鐘を鳴らしてきた。オハイオ州では2015年、当時12歳だったタミル・ライスが、持っていたレプリカ銃を本物と間違えた警察に射殺される事件が起きている。
問題の便に搭乗した少年は、機内にエアソフトガンを持ち込んではおらず、写真は過去に撮影されたものだった。
Getty Images
この一件で最も憂慮すべき点はおそらく、少年がこうした写真を赤の他人にエアドロップで送れたということだ。少年は、iPhoneなどのアップル製端末に搭載されたファイル共有機能「エアドロップ(AirDrop)」を使い、いたずらに及んだ。
この機能では、ブルートゥースと無線LANを通して写真や動画などを共有できる。この機能を使えば、約9メートルの範囲にあるアップル製端末のうち、エアドロップのファイル受信設定が「すべての人」となっているもの全てに一方的にファイルを送信できる。