Forbes JAPAN Web編集部

左から、COOカポラリ真亮とCEO木附篤人(撮影=林孝典)

楽器を始めるのはハードルが高い。十分に試奏ができず、買った楽器が自分に合わない可能性もあれば、続くか分からないものに、何十万というお金をかけられる人は多くない。

幼い頃からバイオリンに慣れ親しんできたCEO木附篤人(きづきあつと)とCOOカポラリ真亮(まりお)には、「もっと気軽に楽器に触れて欲しい」という思いがあり、2018年9月、ふたりは楽器シェアリング「atsumari」を立ち上げた。

中学の同級生である2人は現在28歳。カポラリはアメリカにあるバイオリン職人の専門学校で学び、木附は起業を目指していた大学院時代、中国でシェアリングが流行り始めていることを知った。日本とアメリカ、大きな時差はあるが、1年以上ほぼ毎日スカイプで近況を共有し合い、起業に向けたミーティングを重ねた。

アプリ化し、補償も整備


atsumariは、個人または楽器店から楽器を最短1週間から借りることができ、最終的に買い取ることもできるサービスだ。取引が成立した際の25%の手数料がatsumariの収益元となる。

個人での受け渡しが面倒だという人には、atsumariが楽器を預かり取引を全て担うオプションサービスもある。アプリの出品画面には、バイオリンをはじめ、ギターやチェロ、ドラム、アコーディオン、管楽器などの楽器や機材が並ぶ。

昨年12月にはアプリをリリースし、身分証の登録や相互評価を導入、修理費用負担や保険など補償制度も整えた。

カポラリは「楽器店でもレンタル事業を行う店があるが、ほとんどの場合、販売用とレンタル用の楽器でお客様に提示するグレードが大きく違う。また、店に欲しい楽器を見に行っても、それを借りることができないケースが多く、家に持ち帰り、人目を気にせずゆっくりと試奏できる環境がなかった」と話す。

楽器シェアアポラリ真亮
COOカポラリ真亮(撮影=林孝典)

楽器不足 打開策は


SNSやクチコミで認知を広げ、アプリのダウンロード数は月を追うごとに増加。今までにないシェアリングだが、事業を拡大させる上で課題となっているのが、取り扱う楽器の数だ。

現在、楽器の出品数も増えており、特に2人が業界にコネクションを持つバイオリンは多数出ている。しかしチェロや分数楽器(子ども用の小さいサイズの楽器)、管楽器や鍵盤楽器、機材などが足りていない。

カポラリは「楽器の出品数と会員数の比率が合っていない。借りたい人の方が多く、それに応えられるように対応していきたい」と問題を吐露する。

文=露原直人 撮影=林孝典

起業家

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