ビル・ゲイツは、これまでフォーブスの富豪ランキングで世界4位につけていたが、メリンダへの株式譲渡によって、順位を一つ下げることになった。フォーブスのリアルタイム・ビリオネアランキング上で、ゲイツの保有資産は現在1296億ドル(約14.3兆円)で、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグをわずかに下回り、世界で5番目に裕福な人物となっている。
米国証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、ビルの投資会社のカスケード・インベストメントは8月6日、約24億ドル相当の株式をメリンダに譲渡した。夫婦が離婚を発表した数日後にも、ビルは32億ドル相当の株式をメリンダに譲渡していた。
提出書類によるとメリンダは、約3億9200万ドル相当のオートネーションの株式と、約10億ドル相当の農機具メーカーのDeere & Co.の株式、約10億ドル相当のカナディアン・ナショナル鉄道の株式を受け取っている。
メリンダが最終的にいくらを受け取ることになるかは不明であり、譲渡の公開が義務付けられていない民間企業の株式や不動産など、ここに挙げた以外の資産を受け取った可能性もある。
さらに、カスケード・インベストメントには、ビルが5%未満しか所有していない企業の株式の譲渡を開示する義務が無い。夫妻の莫大な財産の分割の取り決めの詳細は、ビルとメリンダが5月に離婚を発表する以前に署名した、非公開の契約書に記載されている。
ビルとメリンダは、離婚申請書の中で、自分たちの関係が「取り返しのつかないほど破綻している」と述べていた。報道によると、メリンダは、ビルが2008年に未成年に対する性犯罪で有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインと交流していたことに心を痛め、2019年の時点で離婚弁護士に相談していたという。
また、ビルの広報担当者は、彼が2000年にマイクロソフトの従業員と不倫関係にあったことを認めており、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、この件で2019年に同社の取締役会が調査を行ったと報じている。
先週、ビルはエプスタインとの関係について初めて言及した。CNNのアンダーソン・クーパーとのインタビューで、ビルは彼と一緒に過ごしたのは「大きな間違い」だったと述べていた。また、「今は反省の時だが、前に進まなければならない」と彼は話していた。
今回の騒動にもかかわらず、ビルとメリンダは、2000年に設立され、世界最大の慈善団体となったビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同会長に留まることを約束している。財団は先月、メリンダが元夫とこれ以上一緒に働けないと判断した場合、2年後に共同議長と理事を退任することになると発表した。