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「世界ランキングにおける米国都市の順位」に影響を与えた要因


世界ランキング上位に入った米国の都市が比較的少なかったのはなぜだろうか。特に目を引くのは、次の3つの要因だ。

・1つ目:ランクインした15都市のうち、ボルチモアを除くすべてが、魅力度スコアを下げていた。魅力度スコアは、その都市の生活の質や、学生がそこで学びたいと考える度合いを指標化したものだ。

・2つ目:米国の都市は、留学費用水準のスコアがあまりよくなかった。学費と生活費を考慮した留学費用水準スコアが最も高かったのはサンディエゴ(96位)だ。それ以外に100位以内に入ったのは、ピッツバーグ(98位)とアトランタ(99位)だけとなっている。

・3つ目:米国は世界有数の大学を数多く擁しているが、指標のひとつであるQS世界大学ランキングでこのところ苦戦している。大学ランキング指標で見ると、20位以内に入った米国都市はニューヨーク(6位)、ボストン(7位)、シカゴ(12位)、ロサンゼルス(15位)、サンフランシスコ(16位)と5つあるが、全体ランキングに入った15都市のうち11都市が、この指標で順位を下げている。

ボストンにとっての好材料は、就労機会スコアが、東京に続いて2位だったことと、学生の意見で6位に入ったことだ。

ボストンは、QS大学ランキング指標でも7位と健闘したが、それはハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の存在が大きい。さらに、「学生の多様性」指標でも米国でトップ(11位)だった。この指標は、その都市における学生人口の規模と、学生の多様性を示すものだ。なお、「学生の多様性」指標で世界1位になったのは豪メルボルンだ。

QSのリサーチ責任者であるベン・ソーター(Ben Sowter)はプレスリリースで、米国都市のランキングについて次のように述べている。「米国は、世界有数の大学が数多く存在するという並み外れて強力なプル要因を、引き続き維持している。つまり、世界にある20のトップクラス大学拠点のうち、5カ所は米国にある。米国各地の都市では一般的に、高水準の大学教育を受けることができるし、卒業後の雇用見通しも非常に明るい」

とはいえ、米国が評価をさらに上げて上位にランクインしたければ、やるべきことがたくさんあるのは間違いない。ソーターはさらにこう指摘している。「(米国の学生都市は)魅力度が低下している。ここ5年間のあいだ、世界の学生のあいだでは、米国に対する悪いイメージが維持されているようだ。米国で学びたいというモチベーションをかつてのように持ってもらうためには、学生招致に向けた注意深い対策をさまざまに講じるとともに、誠意を尽くしたコミュニケーション戦略を展開することが必要だ」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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