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連載を通して、セールスフォース・ドットコムのリーダーを14名以上、取り上げてきた。

マネジメントスタイルや個々の性格は違えど、皆カルチャーやバリューの体現に努めており、セールスフォース“イズム”を強く感じたものである。

何名かが、「彼が来て、組織が変わった」と名を挙げた人物がいる。2014年にセールスフォース・ドットコムの日本法人に参画した、現・代表取締役会長兼社長の小出伸一だ。

かつてはIBMを再建したルイス・ガースナー氏やソフトバンク・孫正義氏の下で働き、日本ヒューレット・パッカードの代表取締役社長も務め上げた人物である。

毎年二桁%の成長率を誇る2,700名の組織のトップ(2021年1月末時点現在)。「リーダーたちがこぞって名を挙げるトップは、さぞ剛腕であるに違いない。非常に芯の強い人物であろう」

そう想像していただけに、会ってみて驚いた。
彼は物腰柔らかく、謙虚でしなやかな紳士そのものだったのだ。

“しなやかな”彼は、どのように組織を見つめ、率いてきたのだろうか。
リーダーのさらに上に立つ、「リーダーたちのリーダー」の思想や姿勢に迫る。

長年の友人、マーク・ベニオフからの熱く、強いオファー


「セールスフォース・ドットコムの発展に力を貸してくれないか」

2014年、日本ヒューレット・パッカードの代表取締役社長退任が決まった小出の元に、このようなオファーが届いた。オファーの主は、セールスフォース・ドットコムの創業者であり現・会長兼CEO、長年の友人でもあったマーク・ベニオフ。

リタイアを決めていた小出だが、熱心な誘いに心を動かされ、セールスフォース・ドットコムへの参画を決める。

当時のセールスフォース・ドットコムの社員数は500名程度。小出の前職と比べると組織の規模は小さかったが、「勢いのある企業だ」という印象を抱いていたという。ただ、参画後ある問題点を見つける。

「中途採用のみで人を集めていたこともあって、“個人商店の集まり”のような雰囲気が否めませんでした。個々に売上を追うだけでは限界が来ると予感しました。

理念や価値観を共有したり、チームで動くことを浸透させたりして、会社としての人格、つまりは“社格”を整えねばと考えました」

こうして組織改革に乗り出すわけだが、行なったことは「中長期戦略を立て、戦略を実行する組織を作り、組織をリードする人材を配置する」という経営の王道だった。

加えて小出が大事にしたのは、「組織を知る」姿勢。ビジョンや考えを浸透させるには、自身とメンバーを繋ぐリーダーの役割が重要になる。リーダーはトップの理解者でなければならないからこそ、“参謀”を外から引き連れてくるトップも多い。

しかし、小出はそうしなかった。まずは、自身がセールスフォース・ドットコムに溶け込み、メンバーの能力や人柄を知った上でリーダーを抜擢。また、足りない部分は外部から採用しつつも、新たなリーダーに必要な資質を身に付けるためのトレーニングを整備し、“リーダーが育つ”土壌も整えていったのだ。

売上を上げるだけの会社でなく、社会から尊敬される会社へ


もう1つ、小出が参画時に決意したことがある。

「社員が働きがいを持てる組織を作る」ことだ。

「『社会において存在意義のある企業で働けることは、やりがいに繋がる』と社員が感じられる組織を目指そうと思いました。当時まだ、転職市場において名の知れた企業ではなかった。だからこそ、今いる社員や新しく当社に加わってくれる社員が、長く働きたくなる組織を作ろうと」

処遇の仕組みなどの整備に思い切った投資を実行。その甲斐あって、毎年二桁の成長率と社員数の拡大を実現してきた。現在では「働きがいのある企業ランキング」の上位常連となり、社員満足度サーベイの結果も毎年、前年度超えを記録している。

まさに就任時に理想としていた組織作りが叶っているように見えるが、小出は“組織の姿勢”こそが引き続き重要だと強調する。

「売上が上がり社員数が増えることと、社会から尊敬、信頼される企業であることは比例しません。創業当初から大事にしてきた『ビジネスと社会貢献の両立』を実現する企業であり続けないといけないのです」

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マーク・ベニオフが創業時から唱えていた「ビジネスと社会貢献を両立するモデル」は、小出が参画した当時から、すでにセールスフォース・ドットコムに根付いていた。ただ、現在の社員数は小出が参画した当時の5倍以上。メンバーが増えるほどカルチャーやバリューの浸透は難しくなる。

そこで、文化を作るために必要となるものが、仕組みだ。その代表例が、全社の意思統一を図るための目標設定手法である「V2MOM※」や、社員のボランティア活動状況をクラウド上で見える化する仕組みなどである。

※V2MOM=ビジョン(Vision)、価値(Values)、方法(Methods)、障害(Obstacles)、基準(Measures)。

さらに、米国本社ではサステナビリティに関連する意思決定に責任を負うChief Impact Officer(最高インパクト責任者)や、テクノロジーの倫理的かつ人道的な利用(Humane Use)を統括し、テクノロジーを正しく利用していくことにコミットしているChief Ethical &Humane Use Officer(最高倫理・人道的利用責任者)などの役職も置いている。

「たとえば『平等(イクオリティ)』の重要性を唱える企業はあっても、その責任者が毎月の状況を可視化し、結果を社員と共有することまで徹底している企業はどれくらいあるでしょうか。
方針や企業理念を掲げることは簡単ですが、実行するには仕組みを作り、責任者を据え、PDCAサイクルを回し続けなければ意味はありません」

このように、セールスフォース・ドットコムはビジネスと社会貢献の両立を本気で実現するための仕組みの整備を徹底しているのだ。

トップは、たった2つの物事の決断役


セールスフォース・ドットコムに参画して8年目。小出は現在までを振り返って、自身を、“恵まれた経営者”だと表現する。

「複数企業で経営に携わってきましたが、毎年二桁の事業成長を重ねる企業は人生で初めてです。右肩上がりの事業成長を遂げているから、優秀な人材を確保することに力を注げる。常に投資できる経営に携われている点で、私は恵まれています」

さらに、トップである自身の仕事は非常に限られていると語る。

「9割9分の仕事は、リーダーやメンバーに任せておける。たった2つ、『誰もが意思決定を躊躇するような物事を、最後に決断する』ことと、『結果が出るまでに長い時間を要す投資への意思決定をする』ことが、私がやるべき仕事です」

前述の通り、IBMの救世主であるルイス・ガースナー氏や、かの孫正義氏の近くで、長年経営に携わってきた小出。「リーダーはさまざまな個性があっていい」と捉えており、揺るぎないスタイルや強烈に憧れるリーダー像は持っていない。

さまざまな経営者の優れた点を真似た上に、自身のフレーバーを加えたものが現在のスタイルになっている。ただ、唯一実感したリーダーの共通項が「戦略ありきで組織を作ること」だという。

「たとえば、『成果を出したこの人に、いいポジションを与えよう』と思い、役職や組織を先に作っては、戦略までねじ曲がってしまう。中長期的な戦略無しで持続的な成功は無いからこそ、戦略が最重要であることは意識しておかないといけません」

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成功体験や固定観念に縛られない、柔軟なリーダーであれ


テクノロジーの民主化の実現、「1-1-1モデル」の確立など、社会にいくつもの大きなインパクトを与えてきたセールスフォース・ドットコム。

ただ、小出は「“ビジネスは社会を変えるための最良のプラットフォームである”と信じて、社会の変化に向き合いながら、一つひとつ正しいと思うことをやってきただけ」と謙遜して語る。

直近で社会を襲った大きな変化と言えば、2020年から続く新型コロナウイルスの感染拡大だが、小出はこの出来事をどのように捉えているのだろうか。

「日本人は綿密な準備をして実行に移す国民性があることから、変化に適応することは得意でも、変化を起こすことが苦手でした。

しかし、今回はいきなり変化を迫られた。かつてない経験をポジティブに生かすことができれば、将来的に日本から大きな変化を起こしていける可能性はあると思います」

その成否を左右するのが、データに基づいた経営ができるかどうか。

「政府から『在宅比率を7割にせよ』と勧告されているから従う」では思考停止に陥ってしまう。各部署や職種ごとの業務効率や成果を参照して出社比率を決めるなど、データを元に長期戦略を描き、組織やオフィスの在り方を考えるべきだというのだ。もちろん、セールスフォース・ドットコムも今まさにこうした取り組みを進めている。

最後に、経験豊富なトップから変化を起こす側になりうる世の中のリーダーたちへ、メッセージを贈ってもらった。

「『この経営スタイルなら、いつの時代のどんな状況の企業にも通用する』というメソッドはありません。

時代や置かれた立場、経営状況によって自分のスタイルを変えていくべきでしょう。だからこそ、自分の中に最低3つや4つ、スタイルを持っておくことが理想ではないでしょうか」

考え方が非常に柔軟な彼だからこそ、時代や社会の変化をいち早く捉え、セールスフォース・ドットコムを発展させてきたことがよく分かるメッセージだった。

過去の栄光、築き上げてきた自身の考えやスタイルに固執しない。これこそが、小出の唯一の譲れないこだわりなのかもしれない。

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