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ワクチンを2回接種した人が新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に感染するリスクは、接種していない人と比べて2分の1程度に低下すると考えられるという。

英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームが主導し、英国内の感染状況についてモニタリングする「REACT1プログラム」が公表した新たな調査結果(査読前)によると、PCR検査で陽性と判定された9万8000以上の検体(6月24日~7月12日に採取)を分析したところ、このうち接種を完了していた人の検体の数は、未接種の人の3分の1だった。

また、感染者の濃厚接触者になった場合に感染する可能性があるのは、接種を完了した人の場合は26人に1人とみられる一方、ワクチン未接種の場合、13人に1人と考えられるという。

その他、この研究結果では、接種を完了した後に感染した人は、未接種の人に比べて重症化する可能性が低く、検体に含まれるウイルス量も少なくなるとみられている。つまり、他の人に感染させにくくなるということだ。

だが、米疾病対策センター(CDC)は先ごろ、ワクチン接種を受けた人も感染すれば、接種を受けていない人と同程度に他人にうつす可能性があるとの見方を示したばかりだ。この点に関しては、今後さらなる研究が必要ということになる。

有効性はやはり低下?


一方、REACT1プログラムの研究チームは、2回のワクチン接種によるデルタ株の感染予防効果について、有効性は49%との見方を示した。イスラエル保健省が7月下旬に発表した結果に近く、それ以前に公表されていた数値をはるかに下回っている。

研究チームは、「デルタ株に対する有効性が低下したということは、この株に対応するワクチンの開発が必要かもしれないということだ」と説明。「ワクチンの接種率がさらに上昇しても、今秋以降のさらなる感染拡大を抑制できない可能性がある」と警告している。

英国で新型コロナウイルスの感染者を増加させている要因について、研究チームは、デルタ株の流行とワクチン未接種の若年層を挙げている。これは、米国でも同様に指摘されていることだ。ただ、ワクチン接種率の上昇により、感染者の増加は必ずしも、重症者と死者の増加に直結するものではなくなっている。

感染者の増加が続く中で、専門家らが警告するのは、後遺症のリスクだ。子供に後遺症が残る可能性は成人より低いとの調査結果が先ごろ発表されたところだが、感染した際の症状の程度は、後遺症の可能性とは無関係だとみられている。

ワクチン接種によって感染の危険性が低くなることは、リスクがゼロになることを意味するわけではない。そのためCDCは、接種を完了した人に対しても、特定の場所ではマスクを着用することを推奨している。

編集=木内涼子

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