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コーチング

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昨今、コーチングに関するトピックとして「企業によるコーチングの活用」への期待が高まっています。なぜ企業がコーチングを受けるのか? それによりどう変わるのか?

コーチとして、またいち経営者として、最近の動向とその見解について書きたいと思います。

なぜいま、企業がコーチングを受けるのか?


日本では、戦後の高度経済成長期時代に、いわゆる「終身雇用制度」が生まれました。労働の均質化と長期雇用による労働力の安定化を目的とした、国による労働統制と職場の固定化が図られたことが背景にあります。

しかし1990年代後半頃からその制度が崩れ始めるなど、徐々に働き方に変革が訪れます。2010年頃から、場所や企業にとらわれない「ノマドワーカー」などの単語がメディアで頻繁に取り上げられ、会社員になることだけが働き方ではない、という風潮が徐々に広まっていきました。

そして2018年、働き方改革の一環である「副業解禁」が推進され、今やひとつの企業に留まり続ける働き方は、時代遅れとも言える時代になりました。自分のライフスタイルに合わせて働くなど「ワークライフバランス」も見直され始めています。

この雇用形態の変化は、組織課題とも密接な関係があります。

終身雇用制度だった時代、企業に勤める人たちは、「会社での自分自身の役割は何か」や「今後のキャリアプラン」に悩むことは、今と比較すると圧倒的に少なかったのではないかと推測できます。定年までそこに勤め、与えられた役割を精一杯全うすることが「キャリアプラン」だったからです。

個人が悩む必要がなかったということは、企業側も同様です。一旦入社した人材は辞めることなく定年まで在籍していることが大前提となっており、「どのような組織づくりをしたら転職者が増えるか・退職者が減るか」といったことはほとんど考慮しなくて良かったのです。

しかし、転職はもちろん、ノマドワーカーや副業が一般的になった今では、双方ともに事情が異なります。会社で働く人たちも、自分自身が本当にやりたいことや実現したいことは何なのかを常に自問自答しておく必要があります。また、雇う側も、求める人材に対して、自社をアピールをする必要性に迫られているといえます。

このような時代背景から、個人のみならず企業でも「内面の探求」や「ビジョンの言語化」が求められるようになってきました。そこで徐々に活用され始めているのが、正解を教えてもらうコンサルティングではなく、自分自身が持っている解を引き出すコーチングという手法なのです。

文=松村映子

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